73兆円規模の経済対策を策定。
1.我が国経済は、新型コロナウイルスの感染による緊急事態宣言の下、本年4・5月には戦後最悪の厳しい状況に陥りましたが、 4月20日決定の「緊急経済対策」、令和2年度第1次・第2次補正予算の効果も相まって、個人消費が改善してきたこと等から持ち直しの動きが出てきています。30兆円とも言われるGDPギャップは4-6月期は▲10.5%の後、7-9月期は▲6.2%と相当程度存在し、経済の水準はコロナ前を下回った状態にとどまっています。政府・与党としては、ここで力強い経済対策を講じ、民需主導の成長軌道に戻していかなければならないと考え、73兆円規模の大きな経済対策を決定しました。
2.事業規模・財政支出は以下の通り。
(財政支出) (事業規模)
Ⅰ.新型コロナウイルス
感染症拡大防止策 5.9兆円 6.0兆円
Ⅱ.経済構造の転換・
好循環の実現 18.4兆円 51.7兆円
Ⅲ.防災・減災・国土強靭化
の推進等安全・安心の確保 5.6兆円 5.9兆円
Ⅳ.新型コロナウイルス感染症
対策予備費の適切な執行
(令和2年度) 5.0兆円 5.0兆円
(令和3年度) 5.0兆円 5.0兆円
合 計 40.0兆円【注】 73.6兆円
【注】そのうち国費30.6兆円、地方1.7兆円、財政投融資7.7兆円。国費30.6兆円のうち、令和2年度補正予算は20.1兆円。
3.経済対策は、家計や企業の不安に対処すべく感染拡大防止と雇用・事業・生活への影響をできる限り緩和する万全の『守り』を固めるとともに新たな時代への『攻め』に軸足を移すという2つの視点からなります。経済構造改革に向けては、以下の通り。
①カーボンニュートラルに向けた革新的技術開発((ⅰ)蓄電池、 (ⅱ)水素大量供給・利用技術等、(ⅲ)CO2固定・再利用【カーボンリサイクル】)等の重点分野について2兆円の基金の創設。
②中堅・中小企業による新規事業への進出、転換等の設備投資に最大1億円を補助するための新たな事業再構築補助金の創設。
③大学改革の実行を前提に、早期に10兆円規模の大学ファンドを創設し、その運用益を活用することにより共同施設の整備、人材育成等を推進することでイノベーション・エコシステムを構築。
④事業再構築・脱炭素化投資を促進する税制の構築。等