2050年カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

2050年カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)。

1.総理の所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラル 【CN】、脱炭素社会の実現を目指す。」との方針が示されました。世界121ヵ国が2050年CNを目標とし、企業のESG市場、ESG金融への対応が進む中、もはや温暖化への対応は、経済成長の制約ではなく、成長につながる時代となりました。

 

2.省エネ再エネを最大限に促進するためには、①省エネ法等による規制、予算・税制によるイノベーションの支援、②地域のグリッドをつないだ電力ネットワークの構築、③ライフスタイルの見直しと合わせた分散型電源の普及、蓄電池の活用等に必要です。

 

3.CN実現のためのグリーン成長戦略が不可欠です。中核となる水素、蓄電池、カーボンリサイクル、洋上風力といった重要分野については、具体的目標、標準化、支援策等を内容とする実行計画を年末を目途に作成します。世界各国でも巨大なグリーン戦略が提示される中、日本においても長期的視点に立った大胆な成長戦略、イノベーション戦略が必要です。

 

4.温室効果ガスの8割以上を占めるエネルギー分野の取組が特に重要です。2050年CN目標達成を踏まえ電源構成は、再エネを主力電源化し、安全を第一として原発依存度を可能な限り低減していくのが基本方針です。再エネは、①コスト低減(国民負担は年間2.4兆円)、②系統の整備や柔軟な運用、③蓄電池の活用等を行いながら最大限導入を図ります。カーボンリサイクル、CCUS、水素等新たな選択肢も追及していきます。

 

5.原子力については、まずは、2030年のエネルギーミックスにおける原子力比率20~22%の実現に向け(2018年の原子力比率は6%)、安全最優先の再稼働を進めていくことが必要です。さらに、より長期の2050年に向けては、不確実なイノベーションのみに頼ることは、責任あるエネルギー政策とは言えません実用段階における脱炭素化の選択肢として、あらゆる可能性を追求していきます。

(注1)2050年の電源構成における原子力比率EU12~15%、イギリス11%

(注2)イギリス、ドイツ等ではバックアップ電源としてフランスの原子力発電を想定している。日本ではバックアップ電源も自ら保有しなければならない。