『信州Fパワープロジェクト』木質バイオマス発電所竣工。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

『信州Fパワープロジェクト』木質バイオマス発電所竣工。

1.県産材の新たな需要創出、林業再生、森林資源の循環利用を目指した『信州Fパワープロジェクト』が塩尻市片丘で始まったのは平成24年です。平成27年の木材加工施設に続き、10月14日ソヤノウッドパワー株式会社の木質バイオマス発電所が竣工しました。木質バイオマス発電所は、未利用間伐材、製材端材を燃料に、発電(長野県内最大規模の出力14,500kw)と熱利用を行うもので、車の両輪にあたります。木質バイオマス発電は、純国産の再生可能エネルギー、カーボンニュートラルという特徴を持っています。

 

2.森林は、①治山、国土保全、②水源のかん養、③二酸化炭素の吸収による地球温暖化防止という多面的機能を果たします。この 『森林を育て、活用し、又育てる』という森林の循環利用、循環型社会の形成に信州Fパワープロジェクトは大きな前進となります。

 

3.現在、国の政策においても大きな前進が起きています。

(1)4年がかりで政調会長直属の「地球温暖化防止のための森林吸収源対策PT」事務局長として制度設計を自ら担い、税制調査会インナー幹事として税制改正作業をとりまとめ、昨年創設した森林環境税・譲与税の財源は、森林のある地域では森林経営管理法による森林管理計画に基づく森林整備に、また都市部では木材利用、森林環境教育、上下流交流の三事業にのみ充当されます。まさに森林資源の循環利用に資するものです。

(2)予算面では林野庁の通常の森林整備事業(本体予算)に加えて、平成27年以来、エネルギー対策特別会計の省エネ対策事業を順次①木材利用(CLT、ZEHの木材利用)②木材のマテリアル利用(セルロースナノファイバー)③木質バイオマスエネルギーと拡大を推進してきました。しかし、これまで森林の整備自体への予算充当は認められませんでした。この度、令和3年度予算においては『木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システムの構築支援事業』(成長の早い広葉樹、早成樹の整備)の新規創設に林野庁、経済産業省、環境省の合意が得られたことは大きな政策の前進です。

 

4.地球温暖化を防ぎ、循環型社会を形成することは人類の生存、持続性にとって不可欠の課題です。森林県長野にとっては、再生可能な地産地消のエネルギーを使った地方創生でもあります。