日英EPA、大筋合意を確認。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

日英EPA、大筋合意を確認。

1.本年1月のEU離脱後の英国との、日EU・EPAに代わる新たな貿易・投資の枠組みを規定する日英EPAが、6月9日の交渉開始から3ヵ月、9月11日の茂木・トラス大臣会合で大筋合意が確認されました。9月18日には、党経済協定対策本部(森山本部長)、TPP交渉における国益を守り抜く会(小野寺会長)合同会議において党内了承され、出席していた経済団体、全国農協中央会、日本酪農政治連盟、日本林業協会等からも、聖域を守り日EU・EPAのラインを守った今回の合意結果に対して大きな謝意が表明されました。タイトな日程の中でも、本年末までの臨時国会での日英EPAの国会承認が急務の課題となります。

 

2.英国にEU離脱後の移行期間終了(本年末)までに本協定を締結すれば、日EU・EPAの下で日本が得ていた利益を継続し日系企業のビジネスの継続性(英国進出の日系企業1000社にとって英国はEUへのゲートウェイ)が確保されます。EU離脱後の英国が主要国と署名する初のEPAとなる見込みであり、自由貿易推進の強いメッセージとなります。英国はTPP11にも関心を示しています。

 

3.日本産品の英国市場へのアクセス(日本からの輸出)については、日EU・EPAの関税率、撤廃期間に追いつく形で適用(いわゆる  『キャッチアップ』)されます。すなわち100%の関税撤廃((例)自動車も2026年のまま撤廃)、即時撤廃を獲得した全項目が維持されます。その上で追加的に鉄道車両、自動車部品の即時撤廃を確保しました。日本ワインに対する英国側の輸入規制の撤廃や農産品、酒類GI(地理的表示)の保護等もそのまま維持されています。

 

4.英国産品の日本市場へのアクセス(日本への輸入)については、全体としてキャッチアップが決まった中、農林水産品についても日EU・EPAの範囲内とされ【注】、①新たな関税割り当ては設定せず、②日EU・EPAでセーフガードが設定されている品目について日EU・EPAの下でと同じ内容のセーフガードが措置されました。農業関係者の皆様には安心をいただけたと思います。

【注】協定発効時から日英双方が相手国に対して日EU・EPAと同じ税率を適用。

 

5.ルール分野については、

EU原産材料・生産を本協定上の原材料とみなすこと。(例えば、大陸生産の自動車部品等に原産地規制の拡張累積が認められ、サプライチェーンを見直す必要がなくなります。)

電子商取引、金融サービスにおいて、日EU・EPAより進んだ日米デジタル貿易協定並みの内容となっていること。(ソースコードの開示要求の禁止の対象にアルゴリズムを追加しています。)