感染の状況変化と『GoToキャンペーン』。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

感染の状況変化と『GoToキャンペーン』。

1.新型コロナウイルス感染症の発生動向をみると、緊急事態宣言中の4月11日に708人の感染発生をピークにし一時減少しましたが、7月から増加傾向に転じ、7月18日には655人と過去2番目の感染者を記録しました。PCR検査数の増加による患者掘りおこしの効果があるとしても、重症者の増加がみられ今週末には大変心配な状況であると深く懸念されます。全国的には、医療体制はひっ迫しているとはいえませんが、東京については、①重症者が3人から15人と急に増えてきていること、②陽性と判定されて入院・療養等調整中の人が501名もいること、③軽症中症等で入院している人が900名に及んでいること等、医療体制について急速に緊張感が高まっています。専門家の判断を仰いだ上でしっかり政策決断をしていくことが重要です。

 

2.新規感染者が一段落していた少し前の時点で『Go To トラベルキャンペーン事業』は、関係者の強い希望もあって4連休前の7月22日に前倒しされて開始することが決まっていました。この事業自体は、限界的な状況に追い詰められた観光、飲食関係者が何とか生き延びられるようにと準備された意義深い事業と考えますが、こうした東京の感染者、医療体制の情況から、急遽、

東京都が目的地となっている旅行については、東京都内の旅行も含めて当面Go To トラベル事業(割引支援)の対象外とすること

東京都に居住する方の旅行についても、同様に当面Go To   トラベル事業の対象外とすること

が、決まりました。また、このことにより発生したキャンセル料について国は補償しないと当初官房長官は会見で説明しましたが、現在では政府・与党間でも、東京を外すという政策変更により生じた損害であり、事業者はキャンセル料を取らず、事業者に実損相当分を国が補填することとしました。政府の説明が感染症の情況の変化がある中とはいえ、二転三転することについては、国民に信頼されるようできるだけ予見性の高い安定的なプロセスで政策決定を行い丁寧に説明することが望まれます。

 

3.治療薬やワクチンが発見されるまでの間、感染拡大防止と経済社会活動の両立という難しい課題に取り組むにあたり、国民に対する適確な説明・広報が大切です。