中東地域の緊張高まる。 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

中東地域の緊張高まる。

1.12月27日のイラク北部の米軍駐留基地へのロケット攻撃(米側1名死亡)、12月29日のカターイブ・ヒズボッラー(民兵組織)拠点5ヵ所への空爆による米軍の報復攻撃、12月31日バグダッド米大使館外壁への放火などが続く中、1月3日未明米軍の空爆によりバグダッド空港付近でソレイマニ・イラン革命ガード司令官らが死亡しました。

2.3日イランのハメネイ最高指導者は、「厳しい復讐が待っている。」と警告したのに続き、6日にはイラン政府は、核合意上の第5段階の対抗措置としてウラン濃縮活動を制約なく実施する旨を発表しました。1月8日未明革命ガードは、バグダッド北部のアル・アサド基地やエルビル基地等に地対地弾道ミサイルを複数発射しました。イランのザリーフ外相は、「イランは更なる緊張や戦争は望まないが、敵対行為に対しては自衛的措置をとる」旨発言しました。

3.米国のトランプ大統領が4日「イランが米国人、米権益を攻撃するならばイランの52ヵ所が非常に迅速にかつ激しく攻撃される。」とツィートしていた中での8日のミサイル攻撃によって一挙に戦争への危機感が高まりましたが、トランプ大統領は1月8日、ペンス副大統領、ポンペイオ国務長官、エスパー国防長官、オブライエン補佐官、統合参謀本部議長らも同席のもとで演説を行いました。演説は以下の通り。

「・いかなる米国人及びイラク人の命も犠牲にならなかった。

新たな経済制裁を課す。米国は中東の石油に依存していない。

イランの核兵器の保有は許さないが、イランに核開発の道を与える

米国は素晴らしい軍事力を有しているが、軍事力を行使したくない

先般、バグダーディIS前指導者を殺害したが、IS壊滅はイランにと  っても良いことであり、相互利益のある問題で両国は協力すべき。」

4.まずは、アメリカ側の自制を評価し、戦争が回避できたことに安堵しました。中東地域の緊迫は憂慮すべき事態であり、全ての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことが求められます。12月にはイランのローハニ大統領が来日し、「安倍総理を信頼している。」と言われている日本としては、我が国ならではの外交を粘り強く展開すべきです。総理の中東訪問について、「危ないから行かない」  「中止」というような報道がなされていますが、政府はそのような発言をしたことは一切ありません。事態を慎重に見極めた上で、数日間のうちにも1月の中東訪問を決断すべきと考えます。