本庶先生、ノーベル賞を受賞 | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

本庶先生、ノーベル賞を受賞

1.2018年ノーベル生理学・医学賞が発表され、京都大学特別教授 本庶佑(ほんじょたすく)先生(1942年生)が、ジェームス・P・アリソン氏とともに受賞されました。誠におめでとうございます。長年の御努力に心から敬意を表します。また、日本人の受賞を大変誇らしく思いました。日本人受賞者は26名(物理学賞11名、化学賞7名、生理学・医学賞5名、文学賞2名、平和賞1名)であり、世界で7番目の受賞者数となります。

2.ノーベル賞は、アルフレッド・ノーベルの遺言に基づき、その遺産によって設立された基金をもとに、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各分野で「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞です。また、経済学分野については、スウェーデン銀行の基金により、ノーベル経済学賞が1968年に創設されました。

3.がんによって毎年何百万人もの命が奪われている中、がんの制圧は人類の健康上、最も大きな課題の1つです。我々の免疫システムに本来備わるがんを攻撃する能力を刺激し、免疫力を解放することによって、がんに対するこれまでにない新しい治療原理(免疫療法)を確立したことが受賞の理由です。免疫力による治療の発見は、人類のがんとの闘いにおける記念碑といえます。

4.現在、日本の大学や研究開発機関では、予算不足や大学体制の膠着化等により、若手の基礎研究をめぐる環境が特に厳しくなっているといわれています。ノーベル賞の受賞は長い基礎研究の積み上げの結果として成し遂げられることを考えれば、今、若手研究者の育成や基礎研究の充実・体制整備を図らなければ将来のノーベル賞にはつながりません。受賞の喜びの中、しっかりと研究開発、イノベーションのエコシステムを確立していくことの重要性を改めて強く再認識するものです。