7月7日(木) | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

7月7日(木)

7月7日(木)

 政府の原子力発電所の安全対策、再稼働へのスタンスは大混乱しており、政府としての役割すら果たしていると言えない危機的情況です。


 どういう根拠であったかは必ずしも明確でないとは言え、原子力発電所の安全宣言を海江田経産大臣が行い、総理はそれを認めました。そのため、経産大臣は佐賀県にとび、玄海町の岸本町長の玄海原発の再稼働の了解をとったはずです。佐賀県の知事も総理との面会を前提に了解する意向を示しました。ところが、総理は突然、しっかりとしたストレステストという新たな安全調査をすると言いだしました。総理大臣が重大問題でスタンスを安易に変えることも問題ですが、総理大臣と担当大臣の考えが食い違うというのは異常なことであり、政府の体をなしていません。それに加えて、九州電力のやらせメール事件もあって、玄海町の岸本町長は再稼働の同意を撤回する事態となりました。こんなことをしていたら、国民の理解など到底得られるものではありません。


 突然のストレステストについては、経産大臣は『必ずしも再稼働の条件ではない』とし、細野大臣は『再稼働の条件である』という内閣不一致です。本日の国会で総理はこの点について問われ、総理としての統括する責任すら忘れて、『両大臣に聞いてくれ』というあきれた対応です。一体総理大臣の責任はどうなっているのでしょう。


 原子力政策について政府が見解を統一して責任をもった政策運営ができないようなら国会にとっては危機的状況です。こんなことでは、54基のうち今運転されている17基の原発についても定期検査で止まれば再稼働できなくなります。原子力発電所の安全確保・調査はもちろん重要です。しかし、しっかりとしたルールもなく、政府すら右往左往しているのでは、国家の一大事です。