TPP問題について | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

TPP問題について

1月22日(土)

 農業関係者と懇談をしました。今話題となっているTPPの問題については、単純な二者択一的議論をあわててすべきではありません。日本にとって自由貿易の旗があくまで大切なことは言うまでもありません。ただ、日本の産業と農業・農家との対立のような議論は不適切です。世界第六位の農業生産国である日本は、農業構造政策の実現による食料安全保障の達成と自由貿易への両立を図るべきです。頭わりのバラマキ農業政策をとりながら、TPPに内閣の命運をかけるなどという姿勢そのものが危険です。


 『TPPに日本が今急いで入らないとアメリカへの自動車の輸出で関税ゼロとなる韓国に遅れをとり、日本は駆逐される』などという無責任な議論を政府やマスコミはすべきではありません。TPPの成否にかかわらず、米韓は二国間のFTAで工業製品・農産品の関税はゼロとなります。韓国は、TPPに必ずしも加入するとも限りません。三角貿易やセンシティブ品目など技術的な検証も必要です。


 これまで、日本はアメリカ、オーストラリアなどの農業輸出先進国に対し、EU・アジアの農業国といっしょになって『農業の多面的機能』を主張し、WTO交渉などで戦ってきました。こうした地域の特色ある伝統的な農業を守ろうとしてきたEU諸国等からみれば、突然の日本の変節は奇妙に思われるはずです。


 そもそもTPPについて6月までに議論を出すなどと自らシリを切ってあわてるのでなく、日米関係の信頼があれば、TPP交渉の枠組みそのものやよりフリーハンドのあるFTAに挑戦するなど交渉の議論のプロセスや枠組みそのものをしっかり調整するという姿勢が必要です。


 夜は、柔道整復師会の新年会に参加後、自民党大会のために上京。