税制改正・予算編成において懸案事項を保留していることは問題です | 後藤茂之オフィシャルブログ「PEOPLE FIRST!」Powered by Ameba

税制改正・予算編成において懸案事項を保留していることは問題です

12月6日(月)

 事務所での会議、その後の相談事の面談。本日お話をしていたある方に、政治・政治家自体が信じられないと言われました。確かに、今のように政治がウソをついたり、政治理念を国民に語らない状況は政治の危機だと思います。今、政治の質を高めるため、政治家の資質と能力、国民のために働こうとする強い志が求められています。政治をあきらめてはいけない、信じてやるしかないと思います。


 民主党は、2011年度の税制改正や予算編成に関する提言をまとめて政府に相次ぎ提出しています。税制改正についての提言をまとめた税制改正プロジェクトチームの報告では、多くの懸案事項について結論を保留していることは問題です。


① 配偶者控除については、昨年のマニフェストでは廃止することとされ、子供手当の財源とすることとされていましたが、子供手当の支給のない家庭でおきる負担増が大きな議論になっていました。高額所得者の配偶者控除に限って廃止するという同党の予算編成についての提言と異なり、結論を明確にしていません。


② 『産業の空洞化』『雇用の空洞化』を防ぐための法人税率の引き下げについては提言しているものの、その下げ幅やその財源については触れていません。5%引き下げを行えば、1兆5千億円から2兆円の財源が必要であり、責任ある決断が求められます。昨年のマニフェストで提言された法人税の租税特別措置を縮減することで、法人税率引き下げの財源にするとの議論が政府で行われています。しかし、今の局面では法人税の負担自体を引き下げることが必要で、課税ベースを拡大して法人税率を下げるような実質負担が軽減されない改正には反対です。投資促進や意欲的な挑戦を妨げるような租特の見直しにも反対です。


③ 消費税については、今後の検討のプロセスを明確に示していませんが、これまで菅総理の発言の経緯からしても無責任です。誰がどこでどのように意見集約をしていくのか、どこに実質的決定権があるのか、意思決定のプロセスが明確でないことが制度上の問題です。党内での意見集約をして結論をつめていかないと、結局は政治主導が働かず、官僚主導で突然決着してしまうということになりかねません。


 予算編成についても、政治主導の議論をどのようにすすめていくのか、そのしくみやルールが見えません。最後は、総理大臣や大臣が決定するからと言っているだけでは、おおかたの問題について結局は官僚任せということになってしまいます。事業仕分けについては、当初第一弾、第二段で6,900億円の見直しの結論については、予算編成では必ず反映するとしてきておきながら、現在では、『あくまで参考にすればよく、実際の結着は各省の政務三役が判断すればよい』というのが、蓮昉行政刷新担当大臣の本国会における国会答弁です。もちろんこのやり方がいけないというのではありませんが、この1年間国民に発してきたメッセージとはずい分違うなという違和感は否めません。いずれにしても無駄な事業の徹底した見直しは絶対に必要です。特別枠の性格づけについても、ランクによる評定などもしていますが、どういう制度の趣旨なのか各省の取り扱いもバラバラでただの追加要望の便利箱のようにみえます。経済成長にかかわるような政策経費はしっかり予算づけをすることで『雇用の空洞化』に適切な対応をすることが、国家戦略として急務の課題です。