仮設住宅から手作り品 | Smile the First 店長日記

先日、千葉市の助産師・安田さんがお電話をくださって「今日おじゃましてもいいですか~」と。


モーハウスさんの関係でつながることができた安田さんとは、大船渡・陸前高田の助産師さんたちが主催するママサロンへの支援呼びかけに、私たちが手作り品を作ってお送りすることでお応えして、つながっています。


メールのやりとりだけでお会いしたことがなかった安田さんが、前日大船渡支援から帰っていらしたばかりにも関わらず、1時間電車に乗って千葉市からいらしてくださるというお電話。興奮しました。大船渡に住む妊産婦さんたちの生のお声を、安田さんをとおしてうかがいたいと思いました。


Smile the Firstに着かれた安田さん。夕方までたくさんたくさんお話ししました。印象に残ったのは、子連れでお手伝いに行ける方、ぜひ、というお言葉。子連れで行って、動きがわるいと、迷惑になりませんか?と聞きましたが、ママサロン(妊産婦さんの集い)については、そうではない、と断言してらっしゃいました。


こちらでママサロンを開催すれば情報交換の場になるのでしょうけれど、あちらでは、とにかく、ぼーっとしてらっしゃる方が多い。それだけ、ぼーっとできる場があちらのママたちには無い、ということなんです、と。


そして、支援物資として紙おむつが積みっぱなしになっているところもあれば、6か月も紙おむつが届かないなかでやりくりしてきた、というママの声を聞く場所もあった、と。


モーハウスさんのメーリングリストで、おむつ利用データ収集を呼びかけてらした安田さん。Smile the Firstも、モーハウス我孫子サロンとして協力させていただきましたが、それも、今後の災害に備えて、月齢ごとのおむつ利用状況をデータ化して、赤ちゃん向け支援物資が円滑に届くようにするためのシステムづくりをしたいから、と精力的に動いてらっしゃったのでした。


ネットワークのなかのひとりとして、みんなに役立つシステムづくりは、とても大切だと感じます。国をあげて、国民調査並みにやれないものかとじれったさも感じます。それじゃひとつ、国を動かしますか、と決意して市民が動くことが必要とされていると思いました。


安田さん、仮設に暮らす皆さんが作って売っている作品をいくつか分けてくださいました。左から、貝でつくったストラップ、イカ型ブローチ、復興ぞうきん。


Smile the First 店長日記


そしてかもめの玉子りんごバージョン。復興するぞ、という気迫が感じられます。

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もうすぐ3・11。昨年の3月9日に出産されたゆみこさんが、生後わずが2日の赤ちゃんを胸にうとうとしていたとき、大きな揺れにあったという震災当日の話をしてくださいました。


「古い6階建てのなかにある3階の病室で、あまりの揺れに、ベビーベッドが壁に当たる音がカーテンの外でしてて。この建物はこの揺れに耐えられないな、崩れるな、と思いました。そういうとき、ひとって慌てないんですね。すごく冷静でした。この子は生まれてたった2日。たった2日でしんじゃうんだって思いました。この子のためにいまなにをしてやれるだろう、って考えて、ただただ痛くないようにって抱き締めました。」


そして、もうすぐ1歳になるお子さんとゆみこさんが私の目の前にいてくださっている。ああ、生きていてくださった。でも、きっと、ゆみこさんと同じように覚悟してわが子を抱きながら、本当に崩れてだめだった親子さんもたくさんいたんだと思ったら、涙が止まらなくなりました。生きている、ということのすごさ。わが子を守りたくても守れなかった母の無念さ。ゆみこさんのように覚悟をして助かったひともたくさんいらっしゃると思います。私たちは、死ぬまでしっかり生きないと、って思いました。