浴衣と聞くと、今は夏のお出かけに着るイメージですが、元々は日本人にとっての「浴衣」は、文字通りお風呂上がりに着るもの、あるいは寝る時に着るものでした。
私は浴衣も夏着物風に着るのが好み
以前読んだ本で、浴衣についての印象的なお話がありました。
一人暮らしの男性が、夏は家の中で浴衣を着ていることが多い、という内容。
その本の初版は今から20年以上前で、その当時でも著者は既に60代だと思うので、まだ家の中で和服を着る男性も多かった年代なのだと思います
その中で
・一人暮らしだと、誰かが訪ねてくれば自分が玄関に出なくてはいけない。
・でも夏の暑い時期に、きちんとした服装ではくつろげない。
・浴衣なら兵児帯を緩く締めて胸をはだけていれば、裸に近い感覚でくつろげるし、数秒で衣紋をつくろって人前に出ることができる。
というように書かれていました。
続けて
着物は体に布を巻き付けた上に帯を巻くだけなので、締めるも緩めるも自由自在に着られ、
やや締めぎみに着て下駄を履けば、数分前までベッドで寝ていたと思われない格好で散歩にも出られる、
「まことに融通のきく衣服なのだ。」
と結んでいました。
私は外から帰ると、必ず部屋着に着替えないとゆっくりできないのですが、浴衣って着方によって部屋着にも外出着にもなるのか…と、それを読んだときには目から鱗でした。
もちろん今は、衛生的な問題もあるし、浴衣は現代ではオシャレ着のジャンルになっていると思うから、この人のような使い方をオススメします、という事ではないですが・・・
ただ私はこれを読んで、和服って色々な面で合理的な衣服なんだなぁと、あらためて思ったのでした
やっぱり日本人の知恵ってすごいなぁ