今まで、着物を気軽に着たいと思う気持ちに立ちはだかる様々な障害(笑)について書いてきましたが、私自身がとても大きな障害だと思っていることについて、今日は書こうと思います。
それは、正絹の着物は洗えないこと。
普段着きものの代表選手である木綿きものは、木綿ですから洗えるので雨の日も着られますし、すごく汗をかいちゃった!ちょっと食べ物をこぼしちゃった!なんていう時にも、洗えるという安心感があります。
でも正絹の着物はそれができないので、雨の日やお食事の時には、ちょっと緊張することになります。
私の大好きな江戸小紋(遠目には色無地に見えるけど、よく見ると細かい柄が染めてある小紋) ↓
なども、木綿ではないので、雨の日やお食事の時にはちょっと緊張しなければならない…
…はずなのですが、実は私の持っている江戸小紋は、ポリエステルの洗える着物なので、雨の日でもへっちゃらなのです
私よりもう少し上の世代では
「化繊ペラペラで安っぽいし、暑苦しくて着られないわよ」
というイメージを持たれている方が多いようなのですが、繊維の世界も着実に進歩していて、最近の化学繊維の着物は、見た目も着心地も、正絹と遜色ないものが多いです。
実際、私の江戸小紋も、着ていて褒めていただいた時などに
「これ、ポリエステルの洗える着物なんですよ。」と言うと
「え、全然そんな風に見えなかった!」と、皆さん驚かれます。
昔のポリエステルは通気性も悪かったようですが、最近は、例えばユ〇クロのエ〇リズムなど、機能性の高いものもたくさん出ていますよね。
最近は浴衣にも、木綿より涼しく感じられる合成繊維のものなどがあります。人の体感はそれぞれだし、好みもありますが、科学の進歩は反物の素材にも反映されているのだなと感じます。
もちろん正絹には正絹の良さがありますし、化学繊維には化学繊維の良さも、それぞれにあると思います。
少し話が逸れましたが
私はやはり、子供の頃から洋服で育っているので、洗えないスーツなどは別として、普段着るものは一回もしくは数回着たら洗う、という感覚が、どうしてもあります。
同じ感覚を持っている洋服世代の人に
「今は洗える着物もあるんだよ」
ということを広く知ってもらえたら、もう少し着物へのハードルも下がるのではないかなあ・・・と思います。
そんな繊維の進歩のおかげで私は、キモトモと約束をした日のお天気がちょっと雨模様でもガッカリすることなく、お気に入りの洗える着物で、楽しくお出かけすることができているのです