前回リサイクル着物の事を書いたので、もう少しそのお話を。
私には、大好きな着物のリサイクルショップがあります。
それは、立川にある「きものはうす 五箇谷」さん。
とてもほっこりできるいいお店があるから紹介したい、とキモトモに連れて行ってもらったのが、このお店との出会いでした
お店に入って最初に感じたのは、キモトモの言う通り、とても落ち着く空間だなあ、ということ。店内には、とてもたくさんのリサイクル着物や帯が並んでいるのですけれど、その空間は不思議とゆったり、ほっこりしているのです
そして私が、宝の山を前に目を輝かせて(笑)いると、店員さんが「羽織ってみたら?」と、鏡の前で肩にかけて下さり、色々とコーデを考えながら、楽しみました。
後になって、その方は店員さんではなく、お店の常連さんだったと知ってビックリ!!
それだけアットホームであたたかい雰囲気なのは、店主の五箇谷桂子さんのお人柄ならではなのだと思います
着物を見に行ったとき、誰でも経験があるかと思いますが、ちょっといいかなと思って見ていただけなのに、あっという間に色々着付けられて「これはいいものだから、買いなさい」という無言(もしくは有言)の圧力をかけられ、とはいっても即決できるような金額ではなくて、もう、着物や帯がどうのではなく、この場をどうやって逃れるか、しか考えられなくなってしまう…
そんな雰囲気が、このお店には全くありません。
実際私も、初めてこのお店に行った日は、たくさんコーデを楽しませていただいたにもかかわらず、何も購入せず帰りました
着物や帯との出会いも、ご縁だと思います。
こちらでご縁あって出会った中で、一番お気に入りなのは、この白大島↓
白大島が欲しいなあ、でも今の私にはちょっと高級すぎて手が出ないなあ…と思っていた時に出会いました!まさに運命
確かに着物は、高級なものは本当に高級で、いいものだと思います。職人さんの技術があり、歴史や伝統があり、そこへそれなりの値段がつくのは、当然の事だと思います。
だけど着物初心者にいきなりそれを売りつけるのは、せっかく芽生えた「着物を着てみたい」と思う心の芽を摘んでしまうことになりかねない、と私は思います。
五箇谷さんも、そんな危機感からこのお店をはじめられたと、著書「いつも着物でいたい」の中で仰っています。
そしてその本の中で
「人間には、伝達遺伝子というものがあり、いろいろな感情はその遺伝子に乗って後の世代に伝わるという話を聞いたことがあります。例えば、何かを愛するという感情は、遺伝的に伝わるというのです。
(中略)
昔は、みんな着物を着ていたし、ほとんどの人が着物を愛していたことでしょう。伝達遺伝子があるとしたら、日本人の大半は、この感情を受け継いでいることになります。」
と、書いていらっしゃいます。
私も、日本人には「着物を愛する」という遺伝子が受け継がれていると思います。
そしてその遺伝子を呼び起こされた人たちが、着物ポリスや、ちょっと強引なお店の圧力に負けることなく、自分らしく着物を楽しむ時間をたくさん持てるようになってくれたらなと思います。