一番気を揉んだことがあった。
それは1月後半。
初めてラブをシンガポールの動物病院に
連れて行ったときのこと。
理由は混合ワクチンを打つため。
シンガポールでは混合ワクチンを必ず打たないといけないという決まりは無い。
いつか日本へ帰るときも提出書類に
混合ワクチンの有無は関係ないので
本来ならばラブも混合ワクチンを
打たなくてもいい。
狂犬病は必要だが。
しかしラブは
混合ワクチンが必要だ。
私たちが年に1回は
帰省する時にラブをペットホテルに
預けなければいけないからだ。
他の犬から病気をもらう可能性が
ゼロでは無い。
シンガポールでの
病院探しはネットでくまなく調べた。
決めたのは、対応は英語のみだが
比較的新しい病院で
24時間対応、機材も最新設備を整えている。オーストラリア人が院長らしい。
スタッフはシンガポリアン。
私の自宅からは車で25分くらいかな。
companionという病院。
日本でも毎年打っていて
特に異常はなかった。
日本で打っていた薬名をメモして
病院に持っていった。
病院の待合室は10人くらい座れる
広さ。
綺麗な病院だと思った。
予約していたからすぐに
呼ばれた。
ラブはまぁ落ちついていた。
同じ製薬会社のワクチンを確認し
打ってもらった。
はい終わり。
早かったねぇとニコニコしながら
自宅へ帰ってから約5分後、、、。
ラブが足を素早く蹴るような伸ばすようなしぐさを始めた。痙攣みたいな動き。
そしてカエルのようにピョン、ピョンと
場所移動してジッとしていられないような
動きを始めた。
(どうした?)
不思議に思って見ていると
足先の爪まわりを舐めたり噛んだり
し始めた。
(痒いのかな?)
そうこうしてる間約5分くらい。
顔がぷくぷく腫れてきた。
目の周りに蚊に刺されたような
ぷくっとしたものが
どんどんどんどん出来ていく。
脚、体、広がりつつあった。
リーダーと私
(あかん、アレルギー症状や。)
取るものもとりあえず
すぐにタクシーに飛び乗った。
アナフィラキシー症状なのか
ただの腫れるアレルギー症状なのか
どちらか分からず
タクシーの中で必死に検索した。
ラブが死んでしまうんじゃないかと
心臓がドキドキしていてスマホを持つ手も震えていた。少ない知識ながら
アナフィラキシー症状が
死に至るかもしれないのは
知っていたからだ。
調べてみると
どうやらラブの症状的には
顔が腫れるアレルギーのようだった。
アナフィラキシー症状は
注射した直後に反応が起こるもので
呼吸や心臓が急に止まったり意識が無くなる危険な症状。
顔が腫れてしまうアレルギーは
直後から2時間以内に起きる症状で
顔の腫れと、嘔吐や発熱がある。
特にダックスに多いと言われていて
5種混合より7種に多いようです。
しかしラブはパピーの1年目以外は
5種しか打ったことがありませんし
今回も同じ5種だった。
タクシーでこれらを調べて
とりあえずラブの命は大丈夫だろうと
思いはすれど、
リーダーも私も初めての経験。
ラブのクーンクーンというなき声が
あまりに可哀想で
「ごめんね、ごめんね、ワクチンなんて
本当はいらないのに本当にごめんね」と
泣きそうになるのをこらえて
話かけていました。
長く感じたタクシーを降りてすぐに
病院にかけこんだ。
病院にはすでにTELしており
すぐに連れてくるように言われていたので
処置室で早めに対応してくれた。
私たち夫婦がアワアワするのをよそに
「あららー、出ちゃったねアレルギー。」みたいな感じで落ちついた女医さんが
ブスッと注射を打つ。
「えっえっ?これ何ですか?
何の注射?また注射??」と
女医に聞く。
「抗アレルギー」の注射だったようだ。
次回からは先にこの
抗アレルギー注射を打ってからじゃないと
混合ワクチンを打てないらしいラブさん。
「6時間様子を見たいから預からせてください」と
女医さん。
女医さんの大丈夫よというような笑顔に
なんだかホッとした。
そして腫れがおさまるまで預かってくれる対応にも安心した。
また自宅で症状が出たら大変だ。
ラブを預けて受付で説明を聞く。
6時間後にTELをしてラブの症状が
収まってたら引き取りにきてくれと。
引き取りは夜の10時だ。
やっぱり24時間対応の病院にしていて良かった。で、なければ引き取りは
翌朝だったろう。
帰ろうとすると
リーダー必死で看護師のメンズに
話しかけている。
「本当に大丈夫か?」
「死んだりしない?」
汗だくで話しかけていた。
それくらい私たちは慌てていたし
衝撃を受けていた。
帰りはどよーんとしながら
ラブに対して申し訳無い気持ちに
打ちのめされていた。
ホテルに預けることさえなければ
ワクチンを打たずに済むのに、、、。
でも知り合いで預けれるところは
無いし、、、。
ラブごめんね。
6時間、何をするでもなく
家で過ごし、病院にTEL。
引き取りにきてくださいの言葉に
ホッと胸を撫で下ろした。
迎えに行ってラブを待つ間
数分待たされたのだが
その時間の長いこと長いこと。
顔を見るとすっかり腫れも消えて
お岩さんのような顔から
いつものラブさんに戻っておりました。
思わず抱きしめるとラブが
ジタバタジタバタ!
おぉおぉいつものヤンチャラブに
戻ってる!嬉しいよー。
「来年以降はどうしたらいいでしょうか?」
と聞いたところ、
「来年はまずアレルギー検査をします」と。
それからワクチンの種類を変えるのかもしれません。
そしておそらく抗アレルギー剤を打ってからの注射になるでしょう。
今回学んだのはアレルギーは
急に現れるということ。
昨年大丈夫だったからといって
今年大丈夫とは限らないこと。
一度発症すると次回も危ないこと。
混合ワクチンを打ったあとは
せめて15分から30分
病院や近くで待機したほうがいいこと。
ラブがカイカイになったり
皮膚のアレルギーで病院に通ったり
今までそれくらいだったけど、
今回は今まで見たことないラブの
症状に、
完全に我を見失ってしまいました。
まさにパニック夫婦でした。
思わず夫婦で話しました。
「ラブは私たちより早く死んでしまう日が来るよね。私たち耐えれるやろうか。」
「いいや、俺は耐えられへん。
会社も休むと思う。無理。絶対無理。
生きていけない。無理ー!!」
「私も無理。耐えれない。
どうしよう。」
結論
毎日毎日大切にしよう。
ラブを躾けることはパピーの二年間で
終わった。あとはラブが楽しいこと
嬉しいことをしてあげよう。
いっぱい触っていっぱい褒めよう。
優しく話しかけてあげよう。
死ぬまでラブがhappyに暮らせるように
しよう。家が大好きなラブのために
私達の好きな旅行はなるべく控えよう。
側にいてあげよう。
日本に帰ったらラブと一緒に
旅行しよう。ドッグランでたくさん
走らせてあげよう。
などなど、再確認。
私達夫婦が後悔しないこと。
それが、いつかラブを看取るときに
私達夫婦に強さを与えてくれると
信じています。