祖母が入院した病院は、我が家よりほんの少し奥にあった。





近くにいるというだけで、同じ雨の音を聞いているかな。とか、すぐ近くにいる安心感があった。





その病院は、看取りのための病院で、高齢者がたくさん入院してた。





一族みんなが、おばぁちゃんが元気になり、もう一度お家に帰れることを望んでいたけれど、その病院に入院したということは、帰れることはほぼほぼない…ということは頭ではわかってた。





元気になってきて、退院でなくても、お散歩がてらお家に寄れたら…とか夢見てたけど、おばぁちゃんは寝たきりの状態だった。






ただみんなの願いとして、
"おばぁちゃんに痛い辛い"がないことも大きくて。





病院の方々は、穏やかに過ごせるようにとても尽くしてくれていた。感謝でいっぱい。





コロナさえなければ、毎日だって会いにいける距離にいるのに、会えないもどかしさ。





私たちは、家に帰る時に、あえて遠回りしておばぁちゃんの病院前を通ったりした。





お散歩の目的地をおばぁちゃんの病室前の道にしたりもした…