『世界の幻想的な風景』を読みました。読みましたと言っても基本は写真集で、各写真に短いキャプションがついている程度です。
タイトル通り世界中の幻想的な、美しい風景の写真集です。4割ほどが自然の景観、6割ほどが建築物中心の景観です。日本のものでは北海道・十勝川の「ジュエリー・アイス」が唯一選ばれています。
自然のものではアメリカのアンテロープ・キャニオン、アイスランドのヴァトナヨークトル氷河、ロシアのバイカル湖、ベネズエラのマラカイボ湖(世界一雷が多いとされる)などが登場します。
人工物としてはモン・サン・ミシェル、タージ・マハル、ケルン大聖堂、ノイシュヴァンスタイン城、アルハンブラ宮殿などが登場します。
ベネズエラのロライマ山はテーブル・マウンテンと呼ばれるテーブル上の山で、コナン・ドイルに『失われた世界』を書くインスピレーションを与えました。行くのは大変でしょうが、一度は行って見たい場所です。
定番の景勝地が並んでいる感じですが、中にはなぜこのような建物を作ったのだろう、と思ってしまうようなものも紹介されています。チェコのセドレツ納骨堂は無数の人骨で飾られた納骨堂で実に不気味です。タイのワット・ロンクンは仏教寺院なのですが、無数の手や苦悶の表情を浮かべた顔の彫刻で飾られています。
もともと美しい光景であるものを、星空を背景とするなどの工夫を凝らして、一層美しい写真に仕上げています。