『キャデラック・レコード』という映画を観ました。1940年代から50年代のアメリカの音楽業界を舞台とした映画です。

 

 黒人差別が強い中、マディ・ウォーターズ、チャック・ベリー、エタ・ジェイムズ、リトル・ウォルターといった黒人ミュージシャンが活躍します。しかし、チャック・ベリーは買春の容疑で逮捕、収監され、ウォルターは喧嘩のすえ殺され、といった具合に彼らの波乱に富んだ人生が描かれています。同時に彼らを世に送り出した白人レナード・チェス(チェス・レコードの創始者)も描かれます。さらには彼らに影響を受けた白人ミュージシャン(例えばローリング・ストーンズはマディ・ウォーターズに影響され、バンド名はウォーターズの曲の歌詞からとっている)も登場します。

 

 タイトルは、レコードが売れればキャデラックがもらえる、ということに由来します。今でも黒人差別はありますが、今よりも遥かにそれがひどかった時代に、ロック、ブルーズ、ソウルのジャンルで活躍した黒人たちを知ることができる、実話に基づいた作品です。ロック・ファンだが、ここまで古い時代についてはあまり知らない、という私のような人間は楽しめました。なお、エタを演じるのはビヨンセです。