島村英紀著『新・地震をさぐる』を読みました。図書館の児童書コーナーにあったものを借りてきて読みました。簡単な言葉が漢字ではなくひらがなで書かれている点など、児童書らしい特徴をもってはいますが、内容的には大人でも勉強できる本です。図もありますが、しっかりした読み物です。

 

 例えば、地震の規模を表すマグニチュードという単位は誰もが知っていると思いますが、モーメント・マグニチュードという用語はテレビなどでもまず耳にしない言葉です。このレヴェルの言葉も扱っています。まだ、断層という言葉もよく知られていますが、トランスフォーム断層となると知っている人も少ないのではないでしょうか。比較的専門的な内容と言えると思います。

 

 日本に地震をもたらす4つのプレート、プレート・テクトニクス、逆断層型の地震、正断層型の地震、横ずれ断層型の地震から、地震の予知はなぜ難しいか、地震の観測についてなどを語っています。著者自身が地震研究者で、実際に地震の観測を行っているがゆえの記述が多くなっています。

 

 一度出版されたものを増補改訂したもののようで、タイトルに「新」がついています。最初に発売されたものは何かの賞を受賞したそうです。なお、出版は2011年で、東日本大震災についても触れています。