『美しいアンティーク鉱物画の本』を読みました。読んだと言っても文字はほとんどない画集です。

 

 私は以前から鉱物が好きで、部屋には鉱物がたくさんあります。同時に、博物画も好きで、写真よりも絵の方に趣を感じます。本書は19世紀初頭から1930年代にかけて制作された図鑑などに収録された博物画からセレクトした作品を紹介しています。植物や動物の博物画はよくありますが、鉱物画のコレクションが珍しく、貴重です。2016年に出版され、古書市場で高値がついていたものが、増補されて再発売されたものです。

 

 メノウ、アメシスト、タイガーアイ、水晶などの絵を多数収録しています。タイトル通り、美しい絵がたくさんでぼんやり眺めているだけでも楽しめます。美術として描かれたものではなく、科学的正確さを求めて描かれたものでしょうが、それでも美術的美しさをもっています。

 

 巻末には鉱物デザインの切手が紹介されていて、これがまた実に魅力的です。日本のものはありませんが、各国の好物デザイン切手が多数収録されています。アフリカ諸国など、やはり鉱物資源に恵まれた国の切手が多いようです。