内藤陽介著『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』を読みました。

 

 日本人にとってガダルカナル島を言えば、第二次世界大戦時の激戦地で日本軍が悲惨な敗北を喫した地というイメージが強いと思います。餓死した兵士も多く、ガ島と呼ばれていたのが餓島と呼ばれるようになるほどでした。ところが、それ以外の知識はほぼないという人が多いのではないでしょうか。著者は郵便学者で郵便(主に切手)の研究を通して世界を見ている人です。本書でも関連

する切手が多数紹介されています。

 

 4章構成で1章が大戦以前を扱っています。このソロモン諸島の小島がいかに発見され、扱われてきたかを扱っています。2章で大戦におけるガダルカナルの戦いを扱っています。この島が日米の激戦地になったということは戦略的に重要であったということです。このことは現在でも変わっておらず、そのことは4章で扱っています。すなわち、中国の南方進出です。(ソロモン諸島は台湾と断交し、中国と国交を結んだ。)近年のガダルカナル(ソロモン諸島)は政情不安も多いようです。

 

 ガダルカナルについて語った一般向け書籍は少ないと思うので、本書の存在は貴重だし、勉強になりました。