稼げるところに集中! | 「儲け」のためにできること

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日々お客様の「儲け」のための事例やスキームをご紹介します。

 

これはある関与先の直近3年間の業績です。
第30期から顧問をしております。

第30期は過去10年間で一番経常利益が少なかった期でした。
「堺さんが担当になってから、一番利益が少なくなりましたね(笑)」
と社長に冗談交じり(?)に言われたことを覚えています。

そう言われた私は、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちを思いながらも、

監査の帰り際に一つお願いをしました。
全商品ごとの売上と粗利益を出して、来月見せてください。」

翌月の監査時に、全商品の売上と粗利益を見てみると、以下のことがわかりました。
・単価の高い商品は、比較的粗利益率が低い(粗利益率約30%)
・主力商品の単価は低いが、粗利益率が高い(粗利益率約70%)

これを見てすかさず、一つの提案をしました。

「社長!主力商品のみに集中し、販売戦略を考えませんか?」

実は単価の高い商品は、ユーザーが1回購入すると、

なかなかリピート購入してくれるようなものではありません。


主力商品は、ユーザーからすると消耗品であるため、

1回に複数個の購入をし、しかもリピート購入が見込めます。
そして従来は、どちらも同じように宣伝をし、

同じように営業をして販売していました。

社長は私の提案を受けていただき(社長自身もそのように思っていたそうですが)、

第31期は、主力商品の販売にのみ注力し、広告宣伝も主力商品のみに

限定することを社長が全社員に向けて話をしていただけました。

その結果、第31期の売上高は第30期とほぼ同じですが、

粗利益率が少し上昇し、経常利益は第30期の2倍。
第32期は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける時期もありましたが、

過去最高の売上となり、経常利益も初の3億超えとなりました。

余談ですが、第33期は第32期を上回るペースの売上・経常利益で推移しています。

この関与先の場合に限らず、売上を上げることに注力してしまうと、

粗利益・経常利益が残らないという企業が意外と存在しているように思えます。
特に中小企業は絶対的に粗利益を取っていかないと、

経常利益が取れず生き残っていける世の中では無くなっています。
稼げるところに集中し、絶対に粗利益・経常利益に注力した経営をすべきだと感じます。
 

担当:堺 友樹