第5回:「投資道」 『金持ちサラリーマン・貧乏社長 ~自由な人生のための“投資家脳”の作

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『金持ちサラリーマン・貧乏社長
~自由な人生のための“投資家脳”の作り方~』
第5回「投資道」
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みなさんこんにちは、Sです。
僕は、自分の投資スタイルに「投資道」と名付けました。
ひとつの物事を通じて、考え方や生き方を学び、
自己の精神を鍛えることを意味する「道」という一文字。
日本人にとっては、とても深く、
しっくりとくる言葉ではないでしょうか。
日本では古来より、「武芸道」といって、
剣道、柔道、弓道などの「武道」と、
茶道、華道、書道などの「芸道」を通じ、
子供のしつけを行い、精神を養い、人間としての基礎を築いてきました。
先日、その優れた民族性が世界で大きく注目されました。
2011年3月11日。
マグニチュード9.0という国内観測史上最大、
そして世界でも4番目という大きさの「東日本大震災」が日本を襲いました。
この大震災を、海外メディアも大きな関心を持って報じていますが、
地震報道そのものよりも、このような大災害に直面しても、
冷静で秩序ある行動をとり、混乱を起こさない日本人のマナーの良さ、
そして我慢強い、強靭な精神力に世界中が驚いたのです。
ニューヨークタイムズ紙は、
「日本の人々には真に高貴な忍耐力と克己心がある」
「これからの日々、日本に注目すべきだ。間違いなく学ぶべきものがある」
などと称賛しました。
この、世界が驚いた日本人の行動は、
やはり、高潔な人格を尊ぶ「武士道」の精神によるものではないでしょうか。
このように、日本には世界に誇る「道」という
「精神教育の文化」が根付いているのです。
僕は、比較的に若い頃から
海外に住み、外から日本を見たことによって、
日本の素晴らしさ、日本人の凄さに気づき、
日本人として生まれたことを本当に誇りに思うようになりました。
もちろん、悪い点もたくさん見えました。
そして、僕は、
良いところも悪いところも含めて、
日本人が日本のことを一番知らないと確信しました。
僕は、多くの日本人の若者たちに、
できるだけ早い段階で、一度、外から日本を見てほしいと思っています。
近年、日本には様々なビジネスの手法や投資手法、
金融商品や金融の技術など、
海外からたくさんの新しいルールが輸入されています。
しかし、海外の文化に基づいて作られたこれらのルールは、
果たして日本人のメンタリティーに本当に馴染んでいるのでしょうか?
戦後、欧米化が進み、
特に、ビジネスの面では、
日本人の良いところ、日本人らしさが失われているような気がします。
行き過ぎた資本主義や拝金主義、
利のみを追求し、義を欠いたビジネスのやり方。
時代の流れと言ってしまえばそうかもしれませんが、
もう一度、日本人の精神をもとに考え直してみるべきではないでしょうか。
僕は、ハゲタカ時代、
外資系投資会社の節度のない強欲なやり方に強烈な違和感がありました。
外資系といっても、現場はほとんど日本人です。
自己の利益のために日本人の心を失った日本人がたくさんいました。
もちろん、自分もその一員でしたが、心にかなりのストレスがありました。
しかし、これら外資系の欧米人のやり方が間違っているのでしょうか?
イヤ、彼らにとっては、これがあたりまえの考え方なのです。
悪いと思ってやっていないのです。
彼らは、常に戦争をし、他国を侵略し、利益を得てきました。
そのかわり、強い力と優れた戦略を持たないと、反対に自分がやられるのです。
常に他国と国境を接し、侵略の危険にさらされてきた彼等と、
周りを海で守られ、限りある資源を出来るだけ争わず分け合ってきた日本人では
考え方が違って当然なのです。
このように文化の違いは、考え方や行動に表れます。
つまり、「ものの見方」が全く違ってくるのです。
「ものの見方」が違えば、同じデータや情報をインプットしても、
アウトプットの結果は全く違うものになってしまいます。
このアウトプットの結果の違いが
双方の微妙な思考のズレを生んでいるのだと感じます。
この微妙なズレを、心のどこかで感じつつも、
欧米のルールでどんどん進んでいく社会に流され、
いつのまにか日本人らしさが失われているのかもしれません。
ところでみなさんは、
海外でお寿司を食べたことがありますか?
アボガドが巻いてあったり、エビ天が巻いてあったり。
マンゴーソースやチリソースがかかっていたり・・・。
多くの日本人は「こんなのはお寿司じゃない!!」
と言いますが、これは日本のお寿司とは違う、
現地の文化をうまく取り入れて発展した海外の寿司なのです。
では、インド人が日本のカレーを見て
「こんなのカレーじゃない!!」
と言ったらみなさんは何と答えますか?
おそらく「これは日本のカレーだ!!何が悪い!!」
と言うでしょう。
本来、日本人は、海外のものを柔軟に受け入れ、
日本流にアレンジし発展させるのが得意なはずです。
僕は、「投資」も同じように、
日本の文化に根差した技術を発展させるべきだと思いました。そこで―
― 「和魂洋才」 ―
…日本古来の精神を大切にしつつ西洋の技術を受け入れ、
両者を調和させ発展させていくという意味。
この考えを元に、
「投資道」とは、日本文化を尊重し、
その文化に育まれた日本人独特の考え方を取り入れ、
世界に唯一無二の「投資文化」を作りあげること。
と勝手に定義させていただきました。
フランスの哲学者パスカルの言葉に次のようなものがあります。
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「力のない正義は無力であり、正義のない力は暴力である」
1971年のニクソンショックで
米国がドルと金の交換を停止して以来、
圧倒的なパワーを持った「ドル紙幣」。
この何の裏付けもない架空の「力」が
今、世界中で暴力を振るっています。
この暴力を止めることは出来ないかもしれませんが、
せめて僕等だけでも「正義のある力」を追求しましょう。
本来、農耕民族である私たち日本人は、
春に種を蒔き、
暑い夏の間、雑草や害虫を取り、
秋の収穫をむかえる。
冬を越すために食料を保存し、
また来年の春に備える。
このルーティン、何かに似ていませんか?
そうです。
お金の5ステージです。
秋の収穫(稼ぐ)から始まるルーティンです。
実は、リアルリッチのやっている「投資」は、
農耕民族である僕たち日本人に一番向いているのです。
日本人こそ、リアルリッチ投資をやるべきなのです。
最後に「投資道」を極めるために最も大事なことを
養老孟司さんの言葉を借りて伝えたいと思います。
「日本という国は教育や訓練によって、
技術やノウハウを人に蓄積させてきた『人の文明』である。
それに比べて西欧の社会は人を育てるよりも
道具の進歩によって社会を機能させる『道具の文明』と言える」
(『江戸の智恵』(PHP研究所)より)
この養老孟司さんの言葉は、
まさに、僕が目指す「投資道」そのままの理念です。
欧米では、
前述した「ニクソンショック」による
金本位制から変動為替相場制への移行。
デリバティブ取引や、投資信託など挙げればキリがありませんが、
「金融」という“道具”をひたすら発達させてきました。
まさに「道具の文明」
しかし、道具はいつか古くなり、壊れるものです。
それに比べ、日本人は「人の文明」です。
昔からそうであったように、
「道」により、道徳を培い、正義の心を養い、
人の中に技術や知恵を蓄積させ、時代に合わせて進化させていき、
決して壊れない“心(こころ)”を作る。
そして、個人が「正義のあるパワー」を持つ。
まさに「富国強民」です。
もういちど、強い日本をつくりましょう!
決して壊れることのない「道」をつくりましょう!!
それではまた。
S
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Sさんの提唱する投資道。
私にはとてもしっくりきました。
この講座やインタビューを通じて、
少しずつ、少しずつ、「投資」や「投資家」というものに対する見方が、
変化して来ているのではないでしょうか。
それと同時に、自分の生き方や
ライフプラン、ファイナンシャルプランについても―
私たちは、急激な変化を好まないところがありますが、
いちど吸収すると、その後の対応や独自のアレンジは
非常に得意な民族です。
投資道を極めながら、
日本人にしかできない、投資スタイルを確立したいですね。
―よろしければ、
今回の講座を受講したあなたの、
感想や意気込み、自身の取り組みなどを教えてください。
S氏もあなたの声が非常に励みになっています。
今回も、前向きで、メンバーの役に立つ声を、お待ちしています!
※コメント欄にお書きください
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
また次回お会いしましょう。
チーム・シークレットマネークラブ-和僑-
リーダー
柳田厚志
【バックナンバー】
第1回「ファイナンシャルインテリジェンス」
第2回「リアルリッチ~本物のお金持ちとは~」
第3回「お金の5つのステージ
~なぜ、日本には“リアルリッチ”がいないのか?~」
第4回「投資家~本物の投資家との出会い~」

