ボーカロイドが一般的に知られるようになったのには、DTMを始める人が増えたことが要因だろう。
DAWソフトの性能が向上して、DTMでもプロのクオリティーの曲が作れるようになったので、1人で作曲活動を行う人が多くなった。
ただ、1人で作曲する場合、作曲している本人が歌い手でないのであれば、ボーカルの声をどうしたいいかという問題が発生する。
そんな時、使い始めるのがボーカロイドのような歌声合成ソフトだ。
歌声合成ソフトというのは、予め録音されたオーディオデータを調節状態によって結合させたり、オーバーラップ箇所をフェードイン・フェードアウトさせたりする事が出来るソフトで、ボーカロイドも歌声合成ソフトの1つだ。
歌声合成ソフトには無料で使う事が出来るものもある。 無料の歌声合成ソフトには、
- Synsy (シンシー)
- NEUTRINO
- CeVIO Create Studio
- UTAU (うたう)
といったものがあるが、この中で個人的に利用を勧めたいのは「UTAU」という歌声合成ソフトだ。
多くの音源が無料配布されている
無料の歌声合成ソフトの中で、「UTAU」の利用をおススメするのは、多くの有志の人たちが無料の音源ライブラリを配布しているからだ。
UTAU は、開発されてから年月がたっている事もあって、多くのユーザーがいる。
そのため、音源ライブラリの数も他の歌声合成ソフトと比べてダントツで多い。
音源ライブラリと言うのは、「あいうえお」といった五十音などの発音が録音されたファイルのまとまりの事で、歌声合成ソフトでは、その発音のファイルを元に歌声を合成して作り出す。
UTAU には、色々な声質の音源ライブラリが豊富にあるので、様々な色合いのボーカルを作る事が出来る。
こうした理由から、無料で利用可能な歌声合成ソフトの中で「UTAU」の利用をお勧めする。
連続音一括設定プラグインは必須
UTAU の音源ライブラリには、単独音と連続音という2種類のタイプがある。
単独音は、シンプルに五十音などの発音が録音されたファイルのまとまりだ。
それに対して、連続音というのは、前の発音と次の発音の結合を滑らかにするために、発音の前に母音の音が含まれる発音も録音されているファイルのまとまりになっている。
UTAU を使うのであれば、まず間違いなく連続音音源を使用した方が良いだろう。
単独音音源だと、歌声がかなりカクカクしたボーカルになり、ロボット感が強くなるからだ。
また、連続音音源を使う場合には、UTAU に「連続音一括設定プラグイン」というプラグインをインストールした方が良い。
「連続音一括設定プラグイン」は、連続音音源の前後の発音を一括で滑らかにつなげる事が出来るプラグインで、このプラグインを使う事でUTAUでの編集作業がかなり楽になる。
なので、無料の歌声合成ソフトでUTAUを利用するなら、UTAUをインストールした後、「連続音一括設定プラグイン」のインストールも行っておくことをお勧めする。