OVERROCKET
オーバーロケット/aten
バンド名をアルバムタイトルにするタイミングは、デビューアルバムか、レコード会社主導のベスト盤か、自分たち史上最高の到達点。これは到達点だ。POPミュージックを一回りして、マリナーズバレーのある銀河へ帰還した美しい電子音『オーバーロケット』。ひそひそと呟かれるボーカルにも集中力は不要。安心して任せられる浮遊感。「フワー」と全体を包む空間音満載。ナタとかチェーンソーを振り回すやつより、部屋のスミで黒猫を撫でているやつの方が恐い。『Eerie Silence(不気味な沈黙)』がそれだ。聴き飽きる狂気のメロディーよりも、正確な美しい配列をずーっと聴いていると、内側からアタマがおかしくなってくる。そして心地良い。→