モアイの夜明け | SMART PANEL

モアイの夜明け

モアイの夜明け

 

ポニーテールリボンズ/33 music
 「お前が好きだ」や「俺は行くぜ!」しか言ってない詞で成立している、音楽的魔法に満ちた曲が好きだ。単純な歌詞は、欲望に対しての動きがスローモーションであるほど成立がむずかしい。パンチ力の言葉「俺についてこい」よりも「Call Me(私を呼んで)」に浸透圧を持たせる旋律、編曲、歌声。電気グルーヴの初期代表曲『富士山』は「高いぞ富士山」しか言っていないのだが、噴火を匂わず起爆スピード感に加え、後のフジロックにより欲望の加速が高まっていった。今もっと全国区で気づいて欲しい曲は『おじさんおばさん』。自由律俳句ともいえる「おじさんみたいなおばさん」を繰り返す詞の孤高の欲の見えなさ、そしてサウンドの魔法。