アートであれ、携帯電話などの商財であれ、売るためのコツは明確だ。

(1)売りやすく売れる場所で販売する
これは基本中の基本。日本のようにアートにお金を出す習慣のない国での販売は非常に難しいと言わざるを得ない。今、最も売れている地域は中国だ。北京オリンピック、上海万博もあり、政府や企業が先を争って現代アート作品を購入している。ガイアの夜明けという番組でも紹介されたが、中国モダンアートは世界中から注目されており、この5年で価格が数十倍に跳ね上がっており、これからも上昇するだろう。欧米のコレクターが毎日のように作品を購入するために上海を訪れている。
だから、NYやパリでなくて上海や北京でプレゼンをすることはコレクターを掴むうえで有利だ。
また、アートフェアのように毎日1万人近くが来るような場所での展示も大きな意味を持つ。
5日間でざっと500枚くらいの名刺を交換できるので、そういった方々とメール交換だけでコレクターを獲得できる。

(2)売るための努力をする
これも守られていない。
一番多いのは、作品だけ送っていってらっしゃ~い!ってパターン。
これは100%意味がない。
企画展を企画することが多いが、ここでも日本人と欧米の作家の違いが現れる。
どういったメリットを自分が獲得できるのか、どう行ったメリットを提供できるのか? そういった議論を欧米の作家は積極的に企画段階から関わって議論してくる。だから、開催前に自分は作家としてどういったメリットを得ることが出来るのか、どういったことを企画者から期待されているのかが明確になっている。日本人作家はそういった企画段階で関わってくることはなくって、終わってから「思っていたものと違う」ってクレームをつけてくることが多い。はっきり言って、そんなの知るかい!って無視するがね。
企画展でメリットを享受したいのであれば、積極的に企画段階から関わることだろう。
ただ、実際問題としてヨーロッパナイズされていない多くの団体展はそういった体質になく、参加者が
関われる体質にないのも問題だが。
企画展に参加する場合はその団体の特徴を把握してからにすべきだろう。
海外で毎月のように行われているアートフェア。
近いところでは上海、北京があるし、有名どころではパリのFIACやバーゼルがある。
比較的、参加が容易な上海を例に取ろう。5月と11月の2回、行われる。
春はフランスなど欧米の画廊も多く参加する。
基本的には画廊単位での参加であるが、上海では作家がブースを持つことも認められている。
5日間で3~5万人の観客が訪れる。この圧倒的な観客の数は個展ではあり得ない数字だ。
また、個展の場合には近くの人しか来ないわけだが、アートフェアの場合は上海であってもアメリカ、ヨーロッパなどからも数多くのコレクターや美術関係者が訪れる。
そういった出会いの中で欧米の美術館での企画展が実現したり、欧米のコレクターが数多く訪れる。

欧米や中国の美術関係者やコレクターとどうすれば出会うことができるのか??
こういった場でパトロンを見つけて活動を活性化した作家も数多くいる。
作家活動を続けていくうえで、活動を理解して支援してくれるコレクターの存在は不可欠だ。
ステップアップするには、美術館などの専門家との関係も重要だ。
そういった場を提供するのがアートフェアなのだ。

また、目覚ましい作品だと判断されれば、欧米や現地の画廊との契約がむずばれて、海外での定期的な企画展が行われるようになった作家の数は枚挙にいとまがない。
日本で作品を作って、貸画廊で限られたヒトに展観することを繰り返しても何も起こらない。
経済力のある人、目利きの出来る人に作品をプレゼンしないかぎり、なにも変わらない。
チャレンジする価値はあるんじゃなかろうか??
最近、第3セクターや行政に対して現代アートを核とした街並みの再開発プロジェクトを次々と提案している。自己表現としてのアートも重要だが、社会に価値を提供するアートも必要。重要なのはこのバランス。フランスとかアメリカはこの2つが旨くバランスしているが、日本では自己表現としてのアートしか存在ない。
だから、どんどん社会がアートを必要としなくなってきている。アートの存在価値は??って一般の人に聞いてもそれを答えられるヒトは日本じゃ皆無だろう。
今、私が手がけているのはアートを核とした街並みの再開発。数億円を要するプロジェクトだ。チイムとして企画・営業・交渉の各スタッフが働いている。アーティストの工房というよりも完全な企業だ。
いや、正確にはNPOなんだが。株式会社で社員を雇用すると最低賃金基準法やら雇用保険やら面倒だ。だから、NPOでボランティアとしての身分で社員を雇用している。
月給でなく、月棒制。毎月の仕事内容を成果主義で評価して給与が決まる。40万円な人もいれば時給ベースで200円な人もいる。祝日も土曜日も出勤。残業も長い。
後発の企業が勝ち残るためには倍働くのは当然。
アートで起業して勝ち残ろうと思えば並大抵ではできない。製造業と違ってニーズのないところで勝負しないといけないのだから。
2000年からプロのアーティストとして生計を立てています。
きっかけは生まれつきの心臓病が悪化して寝込んでいるときに、
サラリーマンで人に使われて人生が終わるのは嫌だなぁって思ったことですね。

アーティストだと、自由気ままに生きれるかなぁって思って、99年ごろから
作品を作りはじめて2000年からプロとしてアートで飯を喰っています。
2003年までは心臓の具合が悪く、活動もままならなかったのですが、
体調が人並みになった2004年からは全開で活動しています。
アーティストへの投資会社である、株式会社 世界標準 (資本金1400万円)も
立ち上げて、2002年に作ったNPO法人(http://www.netwave.or.jp/~aaa-com/ArtSalon/)と共に経営しています。
2005年からは上海のベンチャー企業の取締役にもなっています。

経営者であり、アーティストであり、ギャラリストです。
つまり、自由に生きてるってことですね。

以下のブログに連動してます。
http://smartart.seesaa.net/