鳥になりたいんじゃない

どうあがこうとも 鳥になれるはずもないと知っている


夢見るほどに 幼くはないんだ

夢見られるほど キレイでもないんだ


何かになんて なれなくていい

ただ あたしのままで

ただ 在りのままの自分で




空に ダイブ




飛べなくていい

浮かべなくていい


落ちるままで かまわない


地上まで 重力のままに

ただ落ちるだけで かまわない



あっという間の地上への旅路の中

きっと一瞬だけ 楽園が見えるから


 
飼いならす

甘やかしてはならない

自惚れさせてはいけないんだ。



垣間見えたやさしさは 見ぬふりをして

差し出された砂糖菓子を 口にしてはいけない



言い聞かせる

説き伏せて

身にしみるまで 思い知らしめる。



自惚れは

後に 身を切る 痛みとなる。



やさしさは

後に 孤独への 導となる。



あたしが見るのは 現実だけでいい

目の前にある距離を 正確に測って



いつまでも 何処までも

幸せと 夢と希望の

狭間に飼われる 生き物でありたい。


昨日じゃない 今日じゃない 明日でもない


過去とか 現在とか 未来でもないんだ




ぼくが生きているのは


何でもない 【今】 この瞬間だけ




すっ転んだ挽回は


次の瞬間訪れる 【今】 でしか 取り戻せない




時よとまれ なんて愚かなこと


望んだりしない




過ぎていく時間の中


何度だって訪れる 【今】 にしか


生きられはしないんだ




挽回のチャンスは 【今】この時にしかないんだ


だからぼくは ただ 【今】をがむしゃらに生きるんだ






 
眠り姫は 眠りの中

幸福な夢を見ていたんだ



時に悪夢に魘されることがあったとしても

千年の何百分の一かの時間

そんなのどうってことない 刹那


目覚めを告げた王子様に

彼女が告げた最初の言葉は

「どうしてあたしを 起こしたりしたのよ」


ずっと ずっと 眠っていたかった

なにも なにも 知りたくはなかった


心地よい眠りの中で

仕合せな夢だけを見ていたかったのに


どうして あたしを 起こしたりしたのよ

あたしは一生 あなたを怨むわ







 
あの日にうずくまっている ぼくの背中

悠くに見えるけれど

すぐそこに いる


音速よりも

光速よりも もっと早く


その背中を捉えるのは

囚われているぼくだから



地球はぼくだけを残して 回っていった

ぼくは取り残されて あの日のまま



思い出す必要もない あの頃

ぼくはまだ あの日々の中