思い出に鍵をかけたのは遠い日
私には必要なものでさえいらないと
雨は気付けばぽつりぽつりと降って
何を洗い流していくのでしょう
古いアルバムに書き込んだ今日の私を届けて
誰にも聞かせずつぶやきました
都会の河に流された誰かと同じ
回り道だけ知られれば良かったのに
交差点で信号待ちに
早々とすれ違った人々の群れ

二十歳になれば大人なのに
ポケットに詰め込んだ小銭を握る時だけ
肩をすぼめて人混みぶつからない様
歩くのばかり上手くなります
蜃気楼に手を振るあなたは
優しくてとても冷たいから
時々目の前の私を忘れていました
一本道を歩いて感じる安心ひとつ
それは自由の犠牲だねってあなたの言う
分かりきった事背負わなきゃいけませんか

かくまわれて月へ去ったかぐや姫
あなたが何度も聞かせた話と
私には幼きから堤防もない海岸線
幸せをどちらに定義すべきかも分からずに
歳月に連れられ言い訳が癖になっています
明日も同じ話をするあなたに
苦しみの罪を追いやるべきでしょうか
欠片も大切な割れた鏡に写るのは
私じゃなくても構わないと
だからせめて私の全てはあなたに伝えます