愛してくれとは言わないよ
路上に散った負け犬は
僕は強がってどこへでもなく
歩いていく
今日この日が終わったって
明日も同じなんて
分かりきっているから
言わないで留めて
結局いつもの部屋にたどり着く
酒に強くなけりゃ良かったなんて
君が隣で言ったから
僕は独りよがりに酔って
壁にもたれたまま
君の肩を抱いた秋の夜長

あの日聞いたレコードにもあった
愛する人を探す人
堤防に座り波も来ない日々
安上がりのカップ酒を
地図にしてしばらく行けば
知らない街にたどり着くはずが
君の部屋に倒れ込む
むさぼる様に眠っては
同じことを繰り返したから
世捨て人なんて風体からそうさ
そうして髭も伸びきった頃
飽きられるよりも飽きる方が
気が楽だって
また君の部屋を出て今度は帰らぬ僕

身勝手に歳月は過ぎたから
ほとんど全てを捨てた
捨て犬は僕
冬が来たら喉も凍って
吠えることも出来ない
捨てられたまだ吸えるたばこに火を付け
午前中の喧騒を公園で過ごした
雇われ人の働く僕は
季節が一巡りするのを待てず
またここに戻っている
鏡を見るのも遠い昔だから
僕は僕を忘れそうだけど
ある日街に君に似た後ろ姿を見て
誘われる様に君の部屋に
表札に知らない名前
僕はしばらく隠れていて
あの部屋に見知らぬ家族連れ
遠目に見たあの日は
今更だけど
初めて君の幸せを願いました
身勝手な思いだけ願いました