胸の鼓動失せてった
大事なもの一つ引っさげて
遠い日も同じ場面
胸の奥が引っかかる

空に光消えてった
珍しくもない雲にさらわれて
雨が降るわずかな間
濡れない様に歩いていた

落とし物一つ探していた
道上の隅に捨てられて
ありふれた光景だから
次の日にはまた失くしていた

僕の名前忘れていた
使うことさえ無かったから
尊厳が破かれて
そんなことにも気付けなかった

ポケットに安物のサイフ
持ち物はそれだけがいい
靴底がすり減るまで
この街のぬくもり探していよう