ベストアルバム「Time flies」の表題曲として収録される「最後のTight Hug」。

その制作陣の顔ぶれを眺めると、現時点での乃木坂オールスタースタッフを揃えた感がありました。

「最後のTight Hug」

作曲:杉山勝彦

MV監督:池田一真

振付師:Seishiro

歌唱用衣装:尾内貴美香

 

MV監督編はMV集発売のときにまとめて記事にしたので、今回は乃木坂の振り付けを担当してきたコレオグラファーに着目してみたいと思います。

 

全楽曲をさらうのはキビシイので、表題曲に絞って眺めていくことにしたいと思います。

 

●シングル表題曲とその振付師

1st「ぐるぐるカーテン」●南流石
2nd「おいでシャンプー」●南流石
3rd「走れ!Bicycle」●南流石
4th「制服のマネキン」●南流石
5th「君の名は希望」●南流石
6th「ガールズルール」●WARNER
7th「バレッタ」●LICO
8th「気づいたら片想い」●WARNER
9th「夏のFree&Easy」●WARNER
10th「何度目の青空か?」●LICO
11st「命は美しい」●WARNER
12nd「太陽ノック」●WARNER
13rd「今、話したい誰かがいる」●WARNER
14th「ハルジオンが咲く頃」●WARNER / 菅尾なぎさ(MV振り付け)
15th「裸足でsummer」●WARNER
16th「サヨナラの意味」●WARNER / 菅尾なぎさ(MV劇中振り付け)
17th「インフルエンサー」●Seishiro
18th「逃げ水」●CRE8BOY
19th「いつかできるから今日できる」●
20th「シンクロニシティ」●Seishiro
21st「ジコチューで行こう!」●松岡篤志
22nd「帰り道は遠回りしたくなる」●CRE8BOY
23rd「Sing Out !」●Seishiro
24th「夜明けまで強がらなくてもいい」●CRE8BOY
25th「しあわせの保護色」●CRE8BOY
26th「僕は僕を好きになる」●Seishiro
27th「ごめんねFingers Crossed」●LICO
28th「君に叱られた」●CRE8BOY

 

ネットから引っ張ってきた情報なので、間違いがあればごめんなさい(謝)

 

率直な感想としては、かなり流行り廃れがハッキリしているのだなということ。

生駒ちゃん時代の南流石氏、

白西時代~乃木坂第1章(橋本奈々未引退)までをWARNER氏、

それ以降、楽曲の性格に応じてSeishiro、CRE8BOY両氏をメインに起用する時代

とにざっくり分類できるでしょうか。

 

●クリエイター起用の転換点としての16枚目

冒頭にも「オールスター」という表現を使いましたが、乃木坂オールスタースタッフと称されたのが16th「サヨナラの意味」でした。

「サヨナラの意味」

作曲:杉山勝彦

MV:原案・監督:柳沢翔/ 脚本:湯浅弘章・山岸聖太

振付師:WARNER

劇中衣装:尾内貴美香

 

16thはクリエイター起用の転換点に確かになっていて、

これ以降、WARNER氏は表題曲の振り付けを担当していないし(「日常」、「Do my best~」等があるので、完全に縁が切れた訳ではない)、

逆に17thでSeishiro氏との運命的ともいえる出会いを果たす。

また、16thMV監督の柳沢翔氏はここまで多くの傑作MVを作ってきたけど、以後表題・C/Wを問わず完全に乃木坂作品に携わることはなくなりました。

 

じゃあ、それと同じ境遇にはる「タイトハグ」はどうでしょう?というと、

少なくともSeishiroさんとは縁切らないだろうなぁ、と感じます。

 

ここからは、振付師さんに関する、批評と言うよりも個人的な感想です。

 

●Seishiro

過去作品:インフルエンサー、シンクロニシティ、心のモノローグ、Sing Out!、僕は僕を好きになる、最後のTight Hug

 

過去作に挙げたのは代表作ではなくて、これで(多分)全作品。

殆どが表題/リード曲だし、モノローグはWエースの唯一のC/W曲。

本当に「ここぞ」と言うときにだけ依頼しているのだと分かりますから、逆に振付師が彼だと知れば、乃木坂が本気出した作品なのだと読むことも出来るでしょう。

 

シンクロ、SO、タイトハグに顕著なように、円を描く振りがとても印象的。

 

「シンクロニシティ」は、今までになかった新しい”らしさ”を獲得した作品だと思うけれど、

そのらしさに形成には彼の振り付けが多分に貢献していると感じますよね。

落ちサビ「誰だって誰だってあるだろう 不意に気付いたら泣いてること」で白石が顔を覆い、周囲が花を咲かせる振りは

彼の振り付けの中でも最高傑作じゃないかな。

 

ドキュメンタリー映画やMVにも映り込んできたり、ファンにこれだけ広く知られたりする振付師は他に居ないでしょう。

きっと、これからも大事な場面で起用され続けるのだろうな、と思います。

 

●LICO

過去作品:でこぴん、世界で一番孤独なLover、ロマンスのスタート、きっかけ、悲しみの忘れ方、行くあてのない僕たち、ひと夏の長さより…
キスの手裏剣、I see...ほか約30曲

 

近年表題を担当する振付師の中でこの人が最古参というのがなんとも意外なのですが(笑)

そして、C/Wもなかなかの名曲揃い。

ファンに広く認知されるようになったのは、恐らくごく最近I see...の振り動画を出したくらいですよね?

 

どちらかというと最近クール系の作品を担当しているという印象。

センターを前面に出す逆三角形型が好きなのかなと思ってたけど、過去作を見ると必ずしもそうでもなさそうです。

 

個人的に好きなのは、「行くあてのない僕たち」のエピソード。

振付の変更を巡ってさゆ×万理華で大喧嘩をするのですが、その際に「振付師さんを困らせてしまった」という話がありました。

多分、LICOさんが2人のケンカの巻き添えを食ったのだと思います(笑)。

 


●CRE8BOY

過去作:風船は生きている、三番目の風、泣いたっていいじゃないか?、ありがちな恋愛、平行線ほか約20曲

 

アイドルらしい振り付け、というイメージ。

乃木坂以外の担当を見ても、アイドルが多めですね。

ぱっと思い出すエピソードは、「悩み過ぎて白目になる」(by和田まあや)でしょうか。

 

その出会いは、やはり17th「風船は生きている」から。

「三風」は桃子のアレが優勝だし、

C/Wだったら、久保ちゃんが「魔法をかけていただいた」と表現していたけど、

「平行線」の振り付けは可愛らしくて良いよね。…ってこれも桃子か(笑)

「逃げ水」もだし、やはり”ザ・アイドル”な振り付けなんでしょうね。

 

●松岡篤志

過去作:1・2・3、Route 246、Out of the blue、猫舌カモミールティー、ざぶんざざぶん、滑走路、Am I Loving、ブランコ、Another Ghostほか約25曲

 

Route246とかの作品もあるのだけど、特に最近は可愛らしい振り付けが多い印象。

「1・2・3」なんて今年の最高傑作クラスの振り付けだなと感じます。。

「Am I Loving」なんかもある意味乃木坂らしくない、ブリブリなアイドルでとても好きですね。

あと、「ブランコ」、「滑走路」、「マシンガンレイン」と担当しているので、寺田蘭世専属でもあると(笑)

 

 

●菅尾なぎさ

この人はもう、チーム・まりっかのひと(笑)

まりっかPVシリーズの振り付けは毎度この方が担当していますね。

そのご縁は、卒業しても続いています。

 

 

 

いやしかし、乃木坂側が曲単位にこれらの人たちを選び発注をするわけで、

どういう基準で選定するんでしょうね(笑)

 

作曲の世界において乃木坂といえば杉山勝彦と言われるのと同様に、

コレオグラフの世界において今の乃木坂らしさの象徴はSeishiroでしょう。

 

しかし、近年作曲家界隈にジャニーズからyouth caseが台頭して注目を集めるように、

振付師界にもまたファンに「あっ」と言わせるニューカマーが現れて欲しいとも思います。