厳しい寒さが続いています。
この冬は、図書館を利用することがグンと増えました。
読みたい本が決まっている時には、諏訪地域公共図書館の情報ネットワーク『すわズラー』がとても便利。
ネットで検索して予約すると、諏訪地域7ヶ所の図書館に所蔵されている本を、自分の住まいに一番近い図書館で受け取れるというシステム。
ここのところ、大いに活用させてもらっています。
『やっかいな食卓』、『老後の資金がありません』は嫁、姑を中心に物語が展開。
「面倒でうんざりするくらいややこしい家族」ではあるものの、どちらの小説も最後に落としどころを見つけそれなりに治まってゆく。
『やっかいな食卓』のお料理の描写が素晴らしく食欲をそそられました。
『カムイの森』の四季のなかで、流氷が去っていくのを『海明け』、朽ち果てた老木が新しい命を育んでいる姿を『倒木更新』というのだそうです。
素敵な表現だなと思いました。
ある日突然がんと診断され、58歳で余命宣告を受けた山本文緒さんのラストメッセージ『無人島のふたり』。
最後の章のなかの一文。
「ふたりでくらしていた無人島だが、あと数週間で夫は本島へかえり、私は無人島に残る時がもうすぐ来るらしい」
ひとり旅立つ自分。
ただ見送るしかない夫。
本を読み終えた時には、哀しみというより寧ろ、寂寥感が心のなかに静かに広がっていた。