今シーズン初めて雪が舞った水曜日から風が強く吹くことが多く、本格的な冬が来たのだと感じるこの頃です。


私の母と父が離婚したのは、私が小学1年生の時でした。
まだ幼かった私は、その頃の家の状況はまったく分かっていませんでした。

ある夜、父が私に添い寝しながら

「おとうさんは明日からお仕事で遠くへ行くからしばらく会えなくなるよ。」と言いました。

私は何だか悲しくなって、父に抱かれながらワンワン泣いた記憶があります。
どちらかというと父親っこだったので、しばらく会えなくなることが寂しかったのだと思います。

その後、父は何回か私たち姉妹に会いに来ていたようですが、母がすべて断っていたと後から聞きました。

私も幼いながらも、何となく両親が離婚したことを成長するにつれ理解するようになりました。

”しばらく”ではなく”もう”会えないということも…。

新しい環境に慣れるにつれ、父のことを思い出すこともほとんどなくなりました。
ちょうどそんなころ、たぶん、小学3、4年生でしょうか。
下校途中にある線路沿いの桜並木をひとりで歩いていた時に、突然、自転車に乗った父とばったり。

「あっ、おとうちゃん‼️」

父は一瞬たじろいだ後、私に声をかけることもなく寂しそうに笑って、自転車で走り去って行きました。

私は自転車の後を追いかけることもせず、ただ佇んだまま父のうしろ姿を見送りました。

もう、それぞれに違う道を歩き始めているということを、はっきり感じ取った瞬間でもありました。

そして、私はこの出来事を母には伝えなかったと思います。

それ以来、もう父に会うことはありませんでした。

大人になってから父に対して会いたいとか、懐かしいといった感慨は湧きませんが、いまでもあの寂しそうな笑顔を残して走り去った父のうしろ姿を、折に触れ想い出すことがあります。

父は父で、その後の人生が幸せであったことを祈りつつ…。