ビル・マーレイ主演の音楽コメディ映画
『ロック・ザ・カスバ/Rock the Kasbah』の感想を書いておきます、日本では今年公開予定。 始めに書いておきますが
本作は、2015年“最も稼げなかった映画”になりました。
制作費に1500万ドル(約18億円)に対し、興行収入はたったの290万ドル(約3.6億円)。
映画批評サイトRotten Tomatoesでは支持率8%という低評価に終わりました。
解説
「レインマン」の名匠バリー・レビンソン監督が、ビル・マーレイ&ブルース・ウィリス共演で描くヒューマンコメディ。落ち目の音楽マネージャーであるリッチーは、自分が担当する女性アーティストをアフガニスタンの米軍慰問ツアーへ連れて行くが、現地で金もパスポートもなくして一人きりになってしまう。傭兵の男ボンベイと行動を共にすることになったリッチーは、たどり着いた村で天才的な歌声の少女と出会い、彼女を有名オーディション番組「アメリカン・アイドル」のアフガニスタン版「アフガン・スター」に出場させるべく奔走する。共演にも「あの頃ペニー・レインと」のケイト・ハドソン、「(500)日のサマー」のズーイー・デシャネルら豪華キャストがそろう。映画.comより
ただ、個人的にはそれほど悪くなかった、というのが正直なところで。
確かに欠点はあります。
キャストが豪華なわりに、無駄遣いというか。
ビル・マーレイにケイト・ハドソン、ブルース・ウィリス、ズーイー・デシャネルとかなり豪華
ズーイー・デシャネル(左)なんて、歌えて踊れるのにほんの脇役だし。
ブルース・ウィリスは傭兵の格好してても、まんまブルース・ウィリスだし。
スコット・カーン(左)とテイラー・キニー(レディー・ガガの彼氏)も出ていました。
それから、本筋に入るまでが冗長。
主人公がアフガンの村で少女の才能を見出し、彼女を売りだす為、そしてかつての栄光を取り戻す為に奔走する っていうのが本筋なのですが、少女に出会うまでが長過ぎる!
ストーリーが動き出すまでが退屈なので、序盤をもう少しカットしていれば見やすくなったと思います。
本筋以外の余計なエピソードも多かった気がする(豪華キャストに配慮した結果、無駄に長くなったのでは)。
序盤はコメディ色が強めだけど、後半へ向かってはヒューマンドラマになるので、戸惑う人もいるかもしれません。
雰囲気としては、『スリー・キングス』『ダージリン急行』、終盤はなんとなく『スラムドッグ・ミリオネア』みたいな感じでしょうか。
じゃあ何が良かったかというと、歌が良かったです!!
“あぁ、主人公がこの娘の歌に惚れ込む気持ちも理解できるなぁ”と実感できたのが良かった。
『ジョジョの奇妙な冒険・第5部』より
邦画の某作品では “天使の歌声”を持つという主人公が歌を披露する場面で、歌が流れずBGMのみ!歌っている姿は映っているけど聴こえない。つまり、各自で脳内補完してくださいね、という演出。これには呆気にとられました。
こっちは聴く準備ができているのだし、主人公の歌が物語の鍵を握る場面だったので、それが聴けなくてひどくがっかりした記憶があります。
それに対して本作は、観客が納得いくような歌声をちゃんと提示してくれています。
キレイな歌声を披露したパレスチナ人女優のLeem Lubany
正直な話、彼女の歌の説得力がこの作品を救ってくれた感じです
(逆に、歌がなかったら本当につまらなかった)。
動画がYoutubeにあったので貼っておきます。
どちらも、キャット・スティーヴンスの楽曲。
女性が歌を歌うことが禁じられている中、初めてテレビの前に立った時にはWild World(世の中の厳しさ)を歌い、クライマックスでは、Peace Train(世界の平和)を歌う。
その選曲にあざとさを感じつつも、僕は感動してしまいました。
アフガンの少女が英語の歌を歌うという非現実さも、イスラム教徒に改宗したキャット・スティーヴンスの楽曲だからアリかも、と思えました。
というわけで
批評サイトの支持率8%を参考に、軽い気持ちで観に行くと案外楽しめるのではないかと思います。
あ、書き忘れましたが、ビル・マーレイの枯れた感じはとても良かったですよ。
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