開頭手術を受けたら、成功したにも関わらず数日間は全く正常に活動出来なった。
そしてある日いきなり動けるようになった。
赤ちゃんも同じような過程を経て動けるようになるのかな?と考えたことを書いた。
そう考えると、ぼくは部分的に新生児に戻ったと言えるのかも知れない。
視覚的に物を認識することが出来なかった。
自分の重心がどこに有るのか分からず、支え無しには歩けなかった。
ただし、手術以前の記憶は無くなっていなかったから、
生まれ変わったという感じはしなかった。
でも、何か感覚が変わったようには感じる。
手術を受ける前は、生末(いくすえ)が怖くてしょうがないような状態だった。
手術を受けることも怖いかった。
かと言って手術を受けず病状が悪化する、悪化しないまでも病状が出たまま生きて行くことも怖かった。
病状が進む内にこのような考えが育って行ったように感じていたので普通だと思っていた。
ちょっと抑うつ状態だったのだと思う。
脳神経外科の主治医に、怖くてしょうがないので診療内科を受診した方が良いか?と相談したが、
まずは聴神経腫瘍の治療に専念しましょうと言われた。
そして、そういった恐怖感は、手術から目覚めたときにはきれいさっぱり消えていた。
あの何だか怖くてしょうがないという感覚は今でも覚えている。
何だったのだろう?とは思わないし、その時どう考えて怖いと思っていたかも覚えている。
しかし、今は同じ考えをなぞってみても怖いと思わない。怖いという結論に達する前に思考が発散する感じ。
脳は手術後の各種調整に能力を使っているのか、思考すこと自体が面倒くさい。
今は手術前と同等の生活環境に身を置いているが、怖いどころか何となく幸福感に浸っている感じだ。
特別なことは何も起こらない状況、
だいたい決まった時間に起きて、3度の食事を頂いて、だいたい決まった時間に寝ている、
それだけでも幸せは感じることが出来るんだなあと実感してる。