タイトルを入力するだけで気持ちが落ち込むような

苦しいタイトルの本ですが、

私がなぜこの本を読んだかというと

ずっと父親(私の祖父)から怒鳴られてきた私の母が

貸してくれたからです。


母は

父親に怒鳴られる子どもの話かと思って

手に取ったようですが、

実際は夫婦間の話がメインでした。


毎日新聞に寄せられた

夫に怒鳴られる妻からの投書。

それを読んだ方がその感想を投書。

自分も怒鳴られるという妻の意見、

怒鳴る夫側の意見、

男女逆転で妻が怒鳴るケース、

そんな夫婦を見て育ったり

自分も怒鳴られた子どもの意見も寄せられ、

反響が大きかったようです。

それらの投書を一冊にまとめたものがこの本です。




怒鳴られる苦しみがあることを知らない人、

他人事としか思えない人には

まず知るために読んでもらいたいし、

(知らない方が幸せかもしれませんが

理解者が増えた方が苦しんでいる人は救われます。

知らないが故に人を傷つける場合もあるから。

無知、無関心、無責任な言動に

二次的に傷つけられると

苦しむ側は更に辛いのです。

でも読んだからと言って理解できるかどうかは

また別の話ですね…。

不快だからもうこの話はするなという意見もあるし

読んでもやっぱり他人事な人はいる。

その事実にも直面して

ショックを受ける本でもあります。)


今苦しんでいる、かつて苦しんでいた人は、

仲間がいる、と知るために

読んでみても良いかもしれません。

ただ、思い出がフラッシュバックしたり

辛くなる場合には無理しない方が良いです。




私がショックだったのは

中には怒鳴られる方が悪いと思う人がいること。


それから、怒鳴る方が悪いとわかっていても、

怒鳴る人はそういう性質の人だから

我慢するしかない、という意見。


まさに、他人事だから言えることですよね。

自分が毎日些細なことで突然怒鳴られる

理不尽に怒鳴られる立ち場なら

軽々しくそんなこと言えないはずです。

でもそういう人は

実際に経験しないと理解できないのでしょうね。


相手が変わることを期待するな、

という点においては共感できるのですが、

我慢するしかない、というのはひどい。

むしろ我慢しないで、と私は言いたい。


我慢している人もいますが

別居した、離婚した、死別した人は

清々しい気持ちを投稿しています。


子どものために別れないという方もいますが

子どもが別れを勧めるケースもあります。

怒鳴られる、怒鳴る親を見て育った子どもは

心に傷を負います。


子どもが怒鳴られている場合どうしたら良いのか、

その解決策は、親次第なのです。

妻は大人だから

別れようと思えば別れられます。

でも子どもは子どもだから

自分の意思で親元を離れることが難しい。

逃げても連れ戻される可能性が高い。


逃げようと思えば逃げられる大人と

逃げたくても逃げられない子ども。

そのことをよく考えてほしい。

自分が我慢すれば済む話、ではないのです。

子どもにも我慢させているのです。


あ、でも、大人でも、

逃げられないと思い込まされていることも

あるかもしれません。

無能だ、バカだ、何も出来ない奴だ、

などと罵られ続けて

自分には逃げることもできない

と思い込んでしまっていたら…

それは思い込まされているだけなのです。

実際には自分次第で何でもできます。


この本の編集を手掛けた方も

我慢しないで、

そして周りに相談して、

と書かれています。

我慢して家庭内で抱え込むと

いつまでも解決しない問題なのです。




かくいう私も

幼い子どもに話が通じず(当たり前!)

怒鳴ってしまった経験、あります。

怒鳴られた子どもは怯えた顔をします。


怒鳴ることはいけないことだとわかっているのに

怒鳴ってしまった自分。

私にも祖父の血が流れている、と

自分で自分にゾッとします。


でも自分を変えられるのは自分だけ。

他人にはどうしようもないけれど

自分が変わろうと思えば変われる。

自分次第なのです。


人に伝えたいことがある時は

怒鳴っていては伝わりません。


また、人を自分の思い通りにしようなどと

傲慢なことは考えてはいけません。

たとえ相手が子どもであっても。


そのことを胸に刻んで

子どもとの間に健全な信頼関係を築きたい。

怒鳴らない親でいたいです。