しばしば都市伝説モノで、「世界情勢を牛耳る秘密結社」として紹介されるフリーメイソン。欧米を中心に巨大な組織となっているその実態ゆえに、そこから想起される食生活といえば、その発祥の地である英国で親しまれている料理・フッシュ&チップスや、メイソン主催のイベントなどでも振舞われるメイソンバーガー、さらにはメイソンカレーなど、比較的ハイカラな印象を受ける外国料理ではないだろうか。
【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/04/post_9035.html】
しかし、実はそんな先入観が思わず揺らいでしまうような施設が京都に存在している。老舗料亭として知られる美濃吉の「本部」だ。
■その存在を強く主張しているロゴ
京都市東山区に存在するこの美濃吉の建物は、掲げられたその看板からもわかるように、同料亭の「本部」。その公式サイトで紹介されているテキストによると、この美濃吉が創業したのは今を遡ること300年前の享保年間で、折りしもそれは人気時代劇『暴れん坊将軍』で知られる徳川幕府八代将軍・吉宗の時代なのだという。
しかし、そんな長い歴史を持つ美濃吉が所有するこの「本部」と呼ばれるビルの壁面には、なぜかコンパスと定規を象ったフリーメイソンのマークが掲げられているのだ。しかもその構造に目をやれば、丸窓をはじめとする和洋折衷の建具も確認できるなど、一見何の変哲もないビルでありながらも、よくよく見ればなんとも不可思議な特徴が散見されるのである。
「ロゴ」をはじめ、こうした実に不可解な特徴からなのか、以前からこの美濃吉本部ビルについては、主にネット上で「ここにメイソンのロッジがある」「経営者がフリーメイソン」といった噂話がまことしやかに囁かれているが、無論、そうした噂話に関する真相について、これまで美濃吉側が公式な説明をした様子はなく、その謎は深まるばかり。
そこで今回、トカナでもおなじみの現役フリーメイソン会員であるDr.クリス氏にこのことを尋ねたところ、詳細な内容についてはお茶を濁したものの、この近くにかつてロッジが存在していたことなどについては“ぼんやり”とながらも、明かしてくれた。
また、クリス氏が補足してくれた説明によると、かつてフリーメイソンが組織化された黎明期においては、欧米圏においても、パブなどの飲食店を間借りする形で、その建物の一部でロッジを開いているケースが多かったのだという。事実、それを証明するかのように、社会科の歴史の教科書に登場する『ボストン茶会事件』が発生したのは、当時、まだ「新大陸」であったアメリカで、パブの中に設けられていたロッジ近くの港で発生したのだそうだ。
こうした背景に鑑みると、詳しい経緯については判然としないものの、この美濃吉本部ビルは、かつて欧米におけるメイソンの活動がそうであったように、ロッジの開設にあたってメイソン側が間借りしたのではないか? と推測されるのだ。無論、現時点においてメイソン日本支部の管轄下にある京都府のロッジは、京都御門ロッジであるとされるため、この美濃吉本部ビルにロッジとしての機能が残されているかは疑わしく、現時点においてどのような意味を持っているかは定かではない。
俗に『千年の古都』と呼ばれる日本の京都と、数世紀に渡って組織として存続し続けているフリーメイソンと美濃吉。それらをつなぐ明確な線が明かされる日は訪れるのだろうか。
