朝、外に出ると
悪魔の断末魔の様な
聞いたことの無い何かの叫び声が
響いていた。
飲みすぎて喉をガラガラに枯らせて
更に
首を絞められながら泣く
野良猫の鳴き声の様な。
叫び声のする方向に
声の主を探して見上げると
高い木の上でカラスが
上半身を前後に揺らしながら
泣き叫んでいた。
そして、もう一羽のカラスが
我が家の周辺を旋回している。
カラスにとって
ただ事じゃない事が起こっているに
違いない。
二階に上がりベランダを見ると
そこにただ事で無い
ターゲットがチョコンと
佇んでいた。
30cm以内に近づいても
逃げる素振りも見せない。
それどころか
愛苦しい程の笑顔で
愛嬌を振り向いてくる。
二羽の親ガラス(多分)が
激しく旋回し出した。
このままでは
俺を敵と見なし兼ねない。
カラスは顔を覚えて
後から攻撃するとも言われる。
顔を見られないように
子ガラスを突くと
心許無く羽ばたいて
ベランダを後にした。
