2020年3月20日21日映画「ミリキタニの猫《特別編》」の上映会を行います。
上映時間は昼14:00から 夜19:00から 2日間で合計4回の上映です。料金は900円+ワンドリンクの注文です。
ニューヨークの路上が主な舞台であるドキュメンタリー映画「ミリキタニの猫《特別編》」。
映画冒頭に近いシーンで 9.11時に倒壊したワールドトレードセンタービルも在りし日の姿を見せています。
映画中盤では9.11その時の映像も。
主人公ジミー・ツトム・ミリキタニさんは戦争時、市民権を持つ日系アメリカ市民であったにもかかわらず、アメリカ政府に「日本人=敵性外国人」とされて、仕事や住まい、財産を没収されて収容所に収容され、その後収容所内で市民権をはく奪されました。
映画冒頭では、主人公ジミー・ツトム・ミリキタニさんはアメリカ政府への強い怒りを抱えて生きています。
映画中盤ではアラブ系やイスラム教徒が9.11以降受けたいわれなきバックラッシュ(強い反発)を報じるニュースを見て主人公ジミー・ツトム・ミリキタニさん吐き捨てるようにつぶやきます。「昔と同じ」と。
社会というのは進歩しないものなのでしょうか?
先日お店に赤ちゃんを前抱っこした若いお父さんがおひとりで来られました。
私自身、30年前に赤ちゃんだった息子を抱っこしてひとりスーパーのレジに並んでいたら、「あら~ お可哀そうに。逃げられたの?」なんて、遠慮会釈のない声をかけられて苦笑したものです。
当時、同僚で育児休業を選んだ男性は人事に「将来を捨てるんだね」と言われたと聞きました。
そんなことから思うと、赤ちゃんを前抱っこした若いお父さんが気負いもなくナチュラルな感じでとても良い感じに思えたのです。
「世の中って進歩していないように見えて、なんか進歩してるんと違うかな?」
そんな風に思いました。
近年は中国、韓国、北朝鮮と政府がぎくしゃくすることも多く、それに伴って、この島で生きていこうとする中国、韓国、北朝鮮の出身の人達、二世三世の人たちに対して憎む、反感を抱く人たちも・・
例の感染症でも国家や人種の対立がむき出しになるニュースが聞こえてきます。
このバックラッシュ(強い反発)は永遠に変わらないものなのでしょうか?
戦争時、アメリカ国人でありながらアメリカ政府に「日本人=敵性外国人」とされて、仕事や住まい、財産を没収されて収容所に収容され、その後収容所内で市民権をはく奪された経験を持つ日系人社会は 9.11以降どう行動したのでしょう?
『歴史の教訓という場合、戦争によるバックラッシュ(強い反発)を経験した日系アメリカ人社会の対応も忘れることはできない。日系社会は、アメリカ大使館人質事件の際にも、在米イラン人へのバックラッシュを批判する活動を行ってきた。
9.11以降、日系社会は、バックラッシュ(強い反発)を批判するだけでなく、ともに集会やデモを行うなどの活動を続けてきた。そうした活動は、日米開戦直後に日系人が強制収容される法的根拠となった大統領行政命令が署名された2月19日を記念して、各地で毎年行われている「追想の日」で2004年も実施された。
アラブ系やイスラム教徒が9.11以降受けたいわれなきバックラッシュ(強い反発)を軽くみるつもりはない。しかし、日米開戦直後の日系人への対応のような事態を避けえたことも事実である。その背景には、上記のような取り組みや活動があったことを忘れてはならない。』
国際人権ひろば No.59(2005年01月発行号) 人権の潮流 9.11以降のアメリカ社会とイスラム教徒~人権侵害抑制活動の教訓 より
柏木 宏 (かしわぎ ひろし) 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section2/2005/01/911.html
主人公ジミー・ツトム・ミリキタニさんの「怒り」と「孤独」を抱えた苦難の人生と、ドキュメンタリーを監督したリンダ・ハッテンドーフ さんとの出会い以後の「赦し」や「共生」へ変化する主人公ジミー・ツトム・ミリキタニさんの人生。
そこに個人的には人間社会の明日への「希望」「灯り」というものを感じずにはいられないのです。
上映会当日は、換気に努めますので寒くない格好でお越しくださいませ。
ちいさなブックカフェスローダウン JR成田駅西口から歩いて5分
成田市囲護台1105-8