年末、深酒をする機会が多くなる時期ですが・・・
久しぶりに酔っ払って失敗を犯してしまいました。
携帯電話を置き忘れてしまったのです。
気がついたのは朝でした。
充電しようと携帯を探しても見つからない!
昨夜、飲んだ店で落としたのか?
それとも、帰りのタクシーに?
困ったことになったと思いました。
幸い、会社から支給されている携帯があったので、
それで私用の携帯を呼び出してみました。
すると、タクシー会社の方が電話に出てくれて、
預かっていることを伝えてくれました。
ホッ・・・
そういえば、帰りのタクシーでメールをしようと
一度携帯を取り出していたような・・・・
記憶もおぼろげになっていました・・・
酔っ払ったきっかけは、会社の同僚との飲み会でした。
ふだんの仕事について明るく語ったいい会だったのですが、
お店にあまり食べ物がなく、お腹がすいた状態で
ワインを飲んだのが良くなかったようです。
ひどい二日酔いで、年末の貴重な休日を
台無しにしてしまいました。
こんな日は腹に響くジャズも聴けないなあ・・・・
そんな風に思っていたのですが、
なんと、二日酔いでも大丈夫なアルバムがありました。
チェット・ベイカー(tp)の「キャンディ」です。
柔らかい響きが持ち味のチェットですが、
リズムがカチッとしていれば、
それなりに「腹に響く」演奏になります。
それが、このアルバムはピアノとベースによるトリオ編成。
ドラムがないので、いい意味で「流しておける」演奏となり、
朦朧とした頭でも聴くことができます。
しかも、選曲がいい。
日本人好みと言ってしまえばそれまでですが、
おなじみの「ラブ・フォー・セール」「ナルディス」
「バイ・バイ・ブラックバード」「テンパス・フィジット」
などが並ぶと、それだけで興味を持ってしまいます。
そして、何よりも表題曲の「キャンディ」。
チェットのヴォーカルで
あっと驚く「脱力版キャンディ」を聴くことができます。
同じトランペッターでもリー・モーガンの「キャンディ」とは
すごい違いですねえ・・・・
1985年6月30日、ストックホルムでの録音。
Chet Baker(tp,vo)
Jean Louis Rassinfosse(b)
Michel Graillier(p)
②Nardis
繊細で美しいメロディを持ち、
ピアノで演奏されることが多い曲ですが、
チェットが果敢に挑んでいます。
ピアノ・ソロによるイントロが始まった段階では、
「やはりピアノがメロディも弾くのか?」と思うのですが、
盛り上がってきたところでチェットにバトン・タッチ。
チェットは実に淡々と、落ち着いたトーンで
メロディを吹きます。
難曲に対するこの肩の力の抜け具合。
これだけリラックスできるところが「年の功」なのか、
チェットのすごさなのか・・・・
続くソロを聴いていると、
時に力のこもったフレーズが顔を出すのですが、
全体的に曲の美しさを大切にした
バランスのいい内容になっています。
ピアノのミシェル・グライユールもスインギーで
曲の流れを意識したいいソロを取っています。
③Candy
チェットが歌っています。
つぶやくように「キャンディ・・・・」と。
この歌声を文字で再現するのは難しいのですが、
「中性的な鼻歌」とでも言うのでしょうか。
退廃的にも聴こえますが、どこかユーモアも感じられる。
個性が際立っているという点で、
私としてはジャズ史に残る「キャンディ」として
推薦したいところです。
チェットの歌声に続くグライユールのピアノ・ソロは
非常に溌剌としていて、ここでバンドの演奏が活気づきます。
チェットによるトランペット・ソロもピアノの勢いを受け、
明るく、楽しいものに。
かすれた音に、円熟味と無邪気な表情が入り混じる
彼ならではのソロです。
最後はチェットのスキャットも飛び出し、
これも下手なのかうまいのかよく分からないながら、
独特の「脱力感」を出しています(笑)。
夜になってようやくお酒が抜けてきた気がします。
きょうと明日は休肝日にしよう・・・・
落ち着いたジャズで年末の慌ただしさをしばし忘れて・・・
