セロニアス・モンクに捧ぐ/ドナルド・フェイゲン、カーラ・ブレイ他 | スロウ・ボートのジャズ日誌

スロウ・ボートのジャズ日誌

ジャズを聴き始めて早30年以上。これまで集めてきた作品に改めて耳を傾け、レビューを書いていきたいと考えています。1人のファンとして、作品の歴史的な価値や話題性よりも、どれだけ「聴き応えがあるか」にこだわっていきます。


来月初めの引っ越しに向け、

荷物をまとめ始めています。

↓なぜ引っ越すことになったのかは、以前、書きました。

http://ameblo.jp/slowboat/entry-10337169076.html


今回は、「聖域なき引っ越し」を目標としています。

何のことはない、荷物を精査して、

いらないものは捨てていくというだけの話ですが、

これがけっこう大変です。

私は転勤族のため、数年に一度は引っ越ししていますが、

いま、「開かずの段ボール」を抱えているのです。

これは、「前の引っ越しから開けていない段ボール」のこと。

中身は学生時代の思い出の品とか、

すぐに必要ではありませんが、捨てられないものです。


「そういうものは思い切って捨てるべきだ」と

アドバイスしてくれる方もいて、きょう、箱を開けてみました。

いやあ、実に雑多な世界が広がっていました。

大学の授業で使っていたノート、旅先で集めたパンフレット。

中には意外なものもありました。

中学時代の友人が送ってくれた誕生日カード。

これ、男性の友人から、なのです。

仲が良かったけど、こんなことまでしてたんですねえ・・・・

びっくりしました!

(女の子からのカードがないのはどうしたことか・・・・)


こういう思い出の品をまとまって見ると、ちょっとしんみりします。

今更ながらなのですが、「自分が一人で成長してきたわけではない」

ことに気付かされるのです。

いろんな人に気にかけてもらいながら、

何とか社会人になり、40まで年齢を重ねてきました。

私には子供がいないこともあり、自分が受けてきた恩を

次の世代に返せていないような気がしています。

そんな思いも含めて、感傷的になってしまうのです。


こんな気分になったとき、

私はセロニアス・モンクの曲「リフレクションズ」を聴きます。

直訳すれば「熟考・沈思黙考」というところでしょうか。

しかし、そのメロディを聴くと、「懐古」という言葉が

ぴったりのように思えます。

それだけ、遠い昔を懐かしむような

優しい響きがある曲です。


モンク自身の演奏で素晴らしいものがありますが、

今回はモンクへのトリビュートを集めたアルバムから

選んでみましょう。

ロック・バンド(?)、スティーリーダンのドナルド・フェイゲンと

フュージョン・ギタリスト(?)、スティーブ・カーンの

デュオによる「リフレクションズ」。

モンク以外の奏者によるものとしては、

曲の「味」を引き出しているという点で

非常にインパクトがあるトラックです。

二人の演奏家は、肩書きに「?」をつけてしまうほど、

ジャンルにとらわれない活動をする音楽家。

その二人による、モンクへの素直な敬意がうれしい

一曲です。


このアルバムには、ジャズやロックから

多くのミュージシャンが参加していますが、

膨大になるので割愛します。


オリジナルは1984年発売。


Donald Fagen(synthesizers)

Steve Khan(g)


③Reflections

スティーブ・カーンのアコースティック・ギターによって

温かく奏でられるメロディ。

それを穏やかに包み込むシンセサイザーの音色。

電子楽器が使われているのに、

サウンドにぬくもりがあることに驚きます。

ギター・ソロではカーンが流れるようなフレーズを

繰り出すのですが、

それぞれの音に感傷的な響きがあり、

ついつい聴き込んでしまう。

続くフェイゲンは、音の末尾を伸ばす独特のプレイで、

この曲に新たな解釈をもたらしました。

メロディが強く、ソロまでがその印象に

支配されてしまいがちな曲ですが、

フェイゲンは空間を生かして自在に「歌える」ことを

示しています。

新しい響きが曲と見事に結びついています。


「開かずの段ボール」を開いたものの、

やはり全てを捨てることはできそうにありません。

多少整理して、コンパクトにするぐらいにとどまりそうです。

時に思い出に浸るのも人間、多少スペースをとるぐらいは

我慢しましょう・・・・