昨日の東京は温かく、天気にも恵まれました。
3連休を満喫している方も多いのではないでしょうか。
私も、日曜日にちょっとした仕事が入りましたが、
夜はフリーになり、久しぶりに美味しい夕食を食べることができました。
そんなことがあった後は、ちょっとゴージャスな気分で
ビッグ・バンドを聴いてみましょうか。
ウエスト・コーストを代表するアレンジャーであり、ピアニストでもある
マーティ・ペイチのビッグ・バンド作品。
このアルバム、様々な魅力があります。
一つは曲の良さ。
ブロードウェイのミュージカルで使われた曲を集めているだけに、
メロディーの美しさ・楽しさは申し分ありません。
もう一つは豪華なメンバー。
アート・ペッパー(as)、ビル・パーキンス(ts)、ジミー・ジェフリー(cl、bs)、
スチュ・ウィリアムソン(tp)、そしてスコット・ラファロ(b)・・・・・
それぞれの充実したソロが聴きものです。
そして、ジャケット。
舞台の出番を待つ踊り子たちを、見事な構図でとらえています。
一人が読んでいるのはジャズ雑誌「ダウンビート」。
こういう粋なジャケット、最近なかなかないですよね。
私は渋谷の良心的なレコード屋さんでこのLPを買いました。
人気作だけあって、残っていたのは最後の一枚。
良かった・・・・・。
1959年、ロサンゼルスでの録音。
西海岸ジャズの充実ぶりを伝える一作でしょう。
①It's All Right With Me
ミュージカル「Can-Can」からの一曲。
歯切れのいいブラスをバックにジョージ・ロバーツのトロンボーンが
メロディーを奏でます。
このモゴモゴしたトロンボーンと立ち上がりがいいブラスの
コントラストが面白いです。
最初のソロは何とビクター・フェルドマンによるバイブラフォン。
ブラスではなく、軽快なこの楽器を冒頭に持ってきたことが
非常に斬新な印象を与えます。
続くトロンボーン、トランペットのソロのバックでは
フェルドマンによるパーカッションのリズムが隠し味として利いていて、
ますます「軽快度」が上がってきます。
「西海岸ならではの爽快なビッグ・バンドをやるぞ!」というリーダーの
宣言が聞こえてきそうな演奏です。
②I've Grown Accustomed To Her Face
「マイ・フェア・レディ」でおなじみの曲。
まず、ジミー・ジェフリーによる美しいクラリネットでグッと
引き付けられます。
クラリネットでこんなにも切ない表現ができるのかー
感服です。
そして、続くペッパーの柔らかく、しっとりとした
アルトサックスの素晴らしさ!
彼にしか出せない艶のある音色が凝縮されており、
心に残ります。
⑦If I Were A Bell
「ガイズ・アンド・ドールズ」からの曲。
最初に楽しい鐘の音と、ドラムのビートが響き、
どんな演奏になるか期待してしまいます。
ジミー・ジェフリーのバリトン・サックスと
ペッパーのアルト・サックスを使って
メロディーを立体的にする手法にまずは驚き。
この辺り、ペイチのアレンジが光ります。
続くトランペットなどのソロのバックでは、
ふんわりとした「ホーンのじゅうたん」がひかれ、
何とも気持ちが良くなります。
ソロの最後を飾るのはペッパー。
短いながら独特の伸びのあるソロが聴けます。
彼が入ると、急に演奏が「締まった感じ」になるから不思議です。
アルバム全体に「弾むような」トーンがあります。
これには、スピード感のあるスコット・ラファロのベースの影響が
大きいと思われます。
また、ブラスの響きが柔らかく、ビッグ・バンドにありがちな
「金属音が突き刺さってくる」感じがしません。
ここにも、ペイチの品の良いアレンジが大きく貢献していると思います。
ビッグ・バンドとなると、なかなか馴染みにくく、
構えてしまうことも多いのですが、
コンボ感覚で聴けるのも本作の魅力です。
華やいだ気分でジャズを楽しみたいときに
聴いていただきたい一作です。
