思い起こすこと30数年前、
人間的にも音楽的にも大尊敬していた故・村田和人さんと、村田バンドのギタリストでもあったPIPERのリーダー山本圭右さんのお2人を中心に行われたMOON RECORDのオーディション。
『神戸在住・夢はプロになること』だったどこの誰かも分からないデビュー前の私を、村田さんと圭右さんが選んで下さった。
そして、テープオーディションで残った西司くんが加わって「Honey & B-Boys」というグループが結成された。
*グループ名の『Honey』とは私のこと(当時のクレジットは本名)だと後から聞いた。


初めてのプロフェッショナルな環境でのRecordingで、私は舞い上がりつつも沢山のことを教わった。
コーラスの積み方、重ねる時のコツ、メインボーカル時はまたそれとは違うパフォーマンスの仕方とメンタルのポジションの取り方etc…
村田さんも圭右さんも本当に親切で、とことん優しかった〜!!!
西くんは私と同い年で出身も同じく関西!!すべてが初めてでとにかく不安だった私にとって、とても頼もしく有り難い存在だった。


村田さんと圭右さん、そして山下達郎さんの作品以外では
作家陣に松本一起さん、村松邦男さん、高橋研さん、高柳恋さん、木戸やすひろさん、Ralph McCarthyや神田エミさん等をお迎えした他、センチメンタルシティロマンス(故中野督夫さん・細井豊さん)からの提供も頂いており…
今から思うと神戸に住んでる"音楽でプロになりたい"女子がデビュー前に、
驚きの最高峰環境下でレコーディング体験したわけで…
私にとってまさにミラクル連発の日々だった。
ある日突然、既にRECしていたその曲を録り直すことになり、センチメンタルシティロマンスがいらっしゃる。
変化の連続だった。
いきなりレイドバックするサウンドに、わーすごいきゃー凄いと喜んでるうちにギター持ってる村松邦男さんがスタジオに…!!
みるみる間に、演奏がその曲のサウンドのルーツを変えていくさまを目の当たりにした。
このアルバムジャケットのような青空が広がっていくのを確かに感じた。

聞かされてないのもあるけど、驚いてる暇もない程、どんどん進んでいくレコーディング現場。


そしてシュガーベイブの「雨は手のひらにいっぱい」(山下達郎さん作)は、ご本家村松邦男さんのアレンジで収録されている。


村田和人さんの訃報に耳を疑ったのは2016年。
いつも周りの人への愛を惜しまなかった村田さん。関西人の私と西くんを連れて行って下さった東京ディズニーランド。
お父さんのような優しい笑顔を、今でもはっきりと覚えている。


あの頃
いつか松本隆先生と未来でお会いできる日が来るとは思っていないし、
今日みたいに過去に「Back to Frisco」することを予想すらしないし。


神戸でもう一度今暮らしてること、そこで私のアマチュア時代の最後を盤に残せた幸せを噛み締める機会をもらったことは、偶然では無いような気がしたのです。

これは、このアルバムのことを、初めてきちんとこうして書くべき時が来たのだと確信したのです。


というわけで

とても長文になりました。
最後まで読んで下さった方、
ありがとうございました。


最後に…
村田和人さん、あなたの作品と歌は永遠です!!


思い出という歴史に、感謝を込めて。
                 


【写真】1987年発売
「Back to Frisco」/Honey & B-Boys
レコード裏ジャケット & SideB