○○ジプシーをやめるきっかけになった本 | 50代からのスローライフ〜癌サバイバーが描くヒーリングアート        

50代からのスローライフ〜癌サバイバーが描くヒーリングアート        

2015年悪性リンパ腫ステージ4から生還し、健康の大切さを痛感しスローライフを始めました。講師業から絵描きへ薬草を育てながら天使画・曼荼羅・点描画等を描いており販売もしています。アートや薬草、健康に関することを発信しています。

断捨離で後悔したこと


断捨離で後悔したことは
ほとんどないのですが、
というより
何を捨てたか忘れてますしね。

でも、一つだけ後悔したものが、
「嫌われる勇気」という本です。

 

 



ベストセラー本だったこともあり
アドラー心理学に基づいたものだということで
レビューも見ずに即買いしたのです。

「嫌われてもポジティブに考えよう」
みたいなことを
アドラー心理学的に考察、分析
した本だろうと勝手に解釈して。

読んでみたら
哲人と青年の対談というか
対話形式になっていて

なんかね、まどろっこしい訳ですよ。
反復したり、質問したりが。

早く答えを言ってよ!と思ったり
回答の意味がわからず、
元に戻って読み直したりと…
時間のかかること、かかること。

対話形式じゃなくて
普通でいいのに…と思いながら
パラパラとめくってみたら、
その問答は最後まで続く訳です。

げっ
最後までこれなの?

と思ったら途端に読む気がしなくなって
結局数ページしか読まずに放置。
本を買って読まなかったことって
初めてでした。

私の断捨離の基準は、
「3年使わないものは処分する」
なのですが、この本は3年待たず
1年で処分してしまったんです。

ところが、YouTubeで
中田敦彦さんが、この本の紹介を
してたんです。

立板に水の如くハイテンポな滑舌で
この本がどんなに素晴らしいかと
いうことを力説する訳です。

今では何を言ってたか
思い出せないほどですが、

見ている時は、なるほど!と思い
視聴して2分くらいで買おうと
思いました。捨てたのに。

中でも衝撃的だったのが、
トラウマは思い込みだという説明。

え〜
あの本、そういう内容だったの?!

何てこったい!

読むんだった。
捨てなきゃよかった。

いや、それより
今までかかった時間とエネルギーと
お金は何だったのかと
軽くショックを受けながら、
思い込みだという根拠が
どうしても知りたいと思い、
買いましたよ。Amazonで。

で、読んでみたら
やっぱりまどろっこしい。

でも、
根拠を知るまでは止めない!
と思ってたので最後まで読みました。

こんなに楽しくない読書は初めてかも。

感想ですが
食べず嫌いをする次男に
「一口でも食べてから言いなさいよ。
食べてみたら美味しかった
という体験を逃してるかもよ!」
と言った言葉を、そっくりそのまま
自分に返したいと思いました。

この対話形式というのは、
アドラー心理学をわかりやすく
噛み砕き説明するための
手法だったのですね。

実際、青年が質問して
哲人が回答するわけですが、
到底受け入れられない提案だったり
理解不能な内容に反発したり
批判したりと読者の感情を
代弁してくれる訳です。

それができたら苦労しないのよ!とか
それができたら数多いる
カウンセラーさんは廃業して
しまうでしょう!とかね。

「今のあなたが不幸なのは
自らの手で、不幸であることを
選んだからなのです。
不幸な星の下に生まれからではありません」

なんて、非常に辛い状況の時に読んだら
「暴れてやる」って思いますよ。

全体の感想を書くと
とてつもなく長くなるので
割愛しますが、
一番知りたかった
「トラウマは思い込みである」

についてですが、
理論は、よくわかりました。
「トラウマは思い込み」だと
思えたら楽になるだろうなと思いました。

ただ、半世紀以上も
フロイトの原因論が
染み込んでいますので

今日からアドラーの
目的論に切り替えるには
時間がかかるかもしれないな
とも思いました。

実際、行動することの難しさを
アドラーはこんなふうに
述べているそうです。

「アドラー心理学を本当に理解して
生き方まで変わるようになるには
それまで生きてきた年数の半分が
必要になる
とさえ言われています。

つまり、40歳から学び始めたとして
プラス20年が必要で60歳までかかる。

20歳から学び始めたらプラス10年で
30歳までかかる。」と...

計算してみると
64歳+32年=96
96歳!!!!!?

本を閉じそうになりました。

悟るまでにそんな年月かかるのですか!
これ、読み進めたほうがいいものかと
しばし迷ったのですが、
まだ50ページ残っていたので
最後まで読みました。

行動することの難しさを説いた後に
だからこそ行動する勇気を持つようにという
とてもシンプルな問いかけをするのですが、
その説明がなかったら
危うく本を閉じるところでした。

「他者からの承認を求め
他者からの評価ばかりを気にしていると
最終的には他者の人生を生きる
事になります。

自由とは他者から
嫌われることである。

他者の評価を気にかけず
他者から嫌われることを怖れず
承認されないかもしれないという
コストを払わない限り、
自分の生き方を貫くことはできない。
つまり、自由になれないのです。

変えられるものについては
変えていく“勇気”を持つこと。

我々は何かの能力が
足りないのではありません。
ただ“勇気”が足りていない。

全ては“勇気”の問題なのです。

人は今この瞬間から変われるし
幸福になることができる。

問題は能力ではなく
“勇気”なのだ。

と結んでいます。
ここに来てやっと
この本のテーマである
「嫌われる勇気」の意味を
理解したのでした。

そして、
この本を読み終わる頃には
まるで5時間くらいの
カウンセリングを受けたような
爽快な気分になっていました。

私は麻痺があるのですが、
麻痺があるから外に出られないと
ずっと消極的だったのですが、
散歩したら捻挫して帰って来ますしね。

ですが、
それは外に出ないための言い訳に
麻痺を使っていたのだと
認めざるを得なくなりました。

「外に出ない」という目的が先にあって
その目的を達成する手段として
「不安や恐怖」といった感情を
こしらえていたのですね。

私は家の中が大好きなんです。
家事をしたりハーブを育てたり、
出来ればずっと引きこもって
創作活動ばかりしたい訳です。

でも、
もう言い訳にできません。

「麻痺があるから散歩できない」
ではなく、
「麻痺があるからこそ散歩しなければ」と
うっかりポジティブ思考に
なってしまいました。

そして、諦めるのではなく
何かを抱えながらやって行く
という決心をしたのでした。

どうしましょう。
これを書いてるということは、
更に引き返せなくなりますよね。

ただ、
こんなふうに思えるようになったのは、
今まで自分を癒すことを沢山やってきた
結果ではないかと思います。

いや、思いたいです。

それを考えると
フロイトの原因論である
トラウマ説は、
無駄ではなかったかなと思うと
ちょっと、ほっとします。

「トラウマは思い込みである」
ということを、受け入れる
準備ができたから、
この本を読んでみようと
思ったのではないでしょうか。

まさに
「準備ができた時に師は現れる」

ですね。

この本が何故
ベストセラーになったのか
アドラー心理学が何故
支持されるのか
最後まで読んでやっと
わかるような気がしました。

ただ、
人の考え方や感じ方はそれぞれだし
強制されるものでもないし
あなたにできることが私にもできるとは
限らないし、逆もまた然りですよね。

真理は一つではないですしね。

行動するかしないかは
自分で決めていいし
そのタイミングもきっと
自分が一番わかっているのだと思います。

“勇気”というワードが
心に残った本でした。

まとまりのない感想で、しかも
散々な事を書いておいて何ですが、
おススメの一冊です。

時間がない方や
レビューが知りたい方は
中田敦彦さんのYouTubeを
視聴されるといいかもしれません。
とてもよくまとめられていました。

 

 

 

 

木場和美/薬絵・ヒーリング画家

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