「離婚するその日まで、パパとママは二人の関係が壊れていたことを、私に悟らせなかったんです。」

 

先日、教会のセミナー「若者の心の悩みを聞く親の会」にて、上記の通り、20歳の女性が告白してくれました。

彼女の両親は、今から7年前、13歳の時に離婚したそうです。

 

13歳の女子といったらすごく難しい年齢です。そういう時に、離婚を目の当たりにするのはつらかっただろうな。

 

父と母のどちらが愛を失ってしまったのか、彼女にはわからなかったそうです。私は結婚して20年近くなりますが、愛自体が自然と色褪せてしまうことはありますよ。まぁ、我々の場合は、それでも淡い光の中で家族を、お互いちゃんと話し合うといった努力をしながらキープしていますが。

 

彼女は少し迷ったのち、父親と一緒に生活していくことを選んだそうです。お母さんのことも好きだったのですが、経済力・生活力で問題がないのは父親なので、そちらに付いたということでした。

 

それは正しかったと彼女ははっきり言っていました。母親が家を出ていくときは、決して幸福そうには見えなかったそうで、その暗い表情はどんどん濃くなっていったそうです。

 

そして彼女はこう言っていました。

「ママは、幸せそうに見えた私たちとの暮らしより、不幸の方を選ばざるを得なかったのです。時には、幸福よりも不幸の方が人を引き付けるのかなと、母の淋し気な後ろ姿を見るとそう思うのです。」

 

現在彼女のお母さんは、アルコール依存症になっており、躁うつ病も発症しているようだということです。「私は元気、私は幸せ」と周りにアピールするために、お酒の力でハイの状態を維持しているそうです。そして、13歳だった彼女は、離婚による家庭環境の変化とコロナウィルスによるロックダウンといった社会的規制によって、勉強が手に付かなくなり、ギムナジウムからオーバーシューレに転校して卒業はしたものの、アビチューアは受けずにレストランのウェイトレスとして働き始めたそうです。最近は、職場を三か月前後で転々と変えていると言っていました。

 

 

子どもの気持ちや考えていることを知るのは大事だと思って参加したセミナーでしたが、大人の階段を上っている長女と長男を持つ私にとって、とても身近なことのように思えてなりませんでした。

 

ドイツでも5月6月は結婚式のシーズンです。

夫婦仲良くできるときと、仲良くできない時もありますよね。話し合いは基本で、我慢も必要です。

 

子どもの幸せを願うのは、親なら当然のこと。親として子どもに何ができるのか?何をしたらいいのか?そして自分はどうしたいのか?

 

家族を築きながらも、多くのママとパパは迷走中なのです。

※スイスの写真です。目の前に大きな山がそびえたっていても、子どもたちと一緒にゆっくりでもいいから前進していきたいものです。