2023年は読破した本の冊数こそ多いけれど、読書量が減った印象です。軽い内容のヤングノベライズをたくさん読んだので、一般の小説よりも速いスピードで読むことができたのですが、充実感としては8割程度です。理由は私自身の選書にあるのです、骨太の小説を選びませんでした。理由はただ一つ、資格試験があり、勉強にフォーカスしないと駄目で、わざと頭にずっしりと残る書籍を避けたのです。はぁ、「読書」=私だけの時間ということで、自分への楽しみを削ることになるのよね。あぁ、辛いわ。なんで、人間一日24時間しかないんだろう、私だけでももっと時間が欲しいです。25時間、一時間増えただけでもだいぶ違うはずなのにな。

 

 

2023年 読書記録

「女のいない男たち」村上春樹

「スイートホーム」原田マハ

「孤舟」渡辺純一

「うれしい悲鳴をあげてくれ」いしわたり淳治

「丘の上の賢人 旅屋おかえり」原田マハ

「銭天堂 ⓸」廣嶋玲子

「銭天堂 ⓹」廣嶋玲子

「にゃんにゃん探偵団」杉山亮

「カラスの親指」道尾秀介

「きみ去りしのち」重松清

「老後の資金がありません」垣谷美雨

「看取眼」重松清

「四年霊組 こわいもの係」床丸迷人

「記憶の果て」浦賀和宏

「彗星物語」宮本輝

「聖書に隠された成功法則」松島修

「八十歳までにしたいこと」曽根綾子

「まほうの電車」堀田あけみ

「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎

「マンガ神時間術」樺沢紫苑

「なぜその考えがいいことを生むのか」和田英樹

「慟哭」貫井徳郎

「嫌いなら呼ぶな」綿谷りさ

「自転しながら公転する」山本文緒

「富士見沿線」貫井徳郎

「輝く夜」百田尚樹

「ビタミンF」重松清

「送り火」重松清

「鏡の中は日曜日」殊能将介

「きみの友だち」重松清

「思春期の子どもと向き合うすごいコツ」尾木直樹

「鋼のメンタル」百田尚樹

「晴れた日には図書館に行こう」緑川聖司

「聖書の教え」前島誠

「最近なにもかもうまくいかないと思ったら読む本」心屋仁之助

「鬼滅の刃 おそわれた刀鍛冶の里編」はのまきみ

「鬼滅の刃 最終決戦とねず子の目覚め編」はのまきみ

「鬼滅の刃 カナヲと無一郎 命を懸けた闘い編」はのまきみ

「高く長い壁」浅田次郎

「シャドウ」道尾秀介

「幻夜」東野圭吾

「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう

「東京の子」藤井太洋

「お探し物は図書室まで」青山美智子

「花」林真理子

「新約聖書よもやま話」伊藤明生

「ロスジェネの逆襲」池井戸潤

「すずめの戸締まり」新海誠

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」歌川たいじ

 

 

合計49冊

 

大好き過ぎてもう一回読み返した村上春樹作品「女のいない男たち」は、映画「ドライブマイカー」の原作となったお話です。

村上春樹はやっぱりすごいわ。行間からも熱いものがこぼれてくるし、開いたページを眺めていると、お話の起承転結のバランスがいいのです。二ページの中に起承転結が盛り込まれているのが判ります。とにかく電子書籍ではなく、紙の本で読むと物語の流れが感じられます。あぁ、村上春樹は日本が生んだカフカだと思います。

 

それから、児童書でも感銘を受けるお話があります。「鬼滅の刃」はネットフェリックスでアニメを見ると20分あっという間で、最新アニメならではの映像の美しさと展開の速さが命だなぁと感じますが、ノベライズは読むのに時間がかかるからか、炭次郎の清らかさが心に刺さる感覚です。

また「母さんがどんなに僕を嫌いでも」は何度も涙がこぼれた名作です。母親として読んだからでしょうか、繊細な子どもの心、親の苦しみと悲しみが詰め込まれたストーリーで、私自身「母親像」を見直すきっかけとなりました。

 

さらに、50代に入り「老い支度」というのでしょうか、「老い」をテーマにした作品を何冊か読みました。高齢化社会であるため、そういうものを意識した小説が世の中にはたくさん出ていて、自然と手に取ってしまいました。人生80年と言いますので、普通ですとまだ30年生き長らえるわけですが、これまでの30年とは違って、中年壮年が絡んでくる30年です。若い時のように無茶がきかない身体になるわけです。そこをどう生きるかと語りかける作品に出会えたことはラッキーでした。健康のこと、老後資金と財テクのこと、資産財産譲渡のこと、昔は全く興味がなかったことですが、今は他人ごととは思えず、本を読んで少し知識を蓄えたいと感じました。

 

こうやって、今年の本を列挙してみると、若いころと読書の好みが変わってきたなぁと自覚することが出来ますね。あはは、これもおばんの特徴か!?

 

ところで、以前、本を読まない人に、「本に書かれていることって現実世界と違うでしょ。」と言われたことがあります。読書が趣味の私から言わせてもらうと「そうだよ、それが何か?」です。そうです。現実と物語は違います。だから面白いのです。だから勉強になるのです。フィクションだけど、そこを自分のことのように身近なものをとして読むのです。本が一冊書店に並ぶまでに、どれだけ多くの人が関わっているか、彼らの知恵のエキスが凝縮されているのです。これを読んで、自分の糧にできるなんて、それだけで人生得した気になります。

こういう感覚を持ち備えるのには、もしかして訓練が必要なのかもしれませんが、知識を得るというだけでなく、物語の主人公に共感したり、私だったらこうするなと反面教師にしたりすることで、心のトレーニングになり読書の価値が上がります。一冊読むのに1週間はかかりますが、本と触れ合う時間は自分次第で濃い充実した内容もしくはペラッペラの読語感にできるのです。

 

近ごろは電車に乗ると、ほとんどの人が携帯電話で意味のないショートビデオをだだ流しのごとく見ています。あぁ、もったいない。それ、どれだけあなたの心に残っていますか?私の子どもがそんな風に「携帯依存症」になったら絶対嫌です。みんな本を読もうぜ。子どもを本好きにしようぜ。

 

本はいいよ、まじで。

2024年、濃縮した読書時間を365日の中に紡ぎだしたいと思います。