長年夢見ていた「ザクセン州立歌劇場 ゼンパーオパ」( 旧称:ドレスデン国立歌劇場) で素敵な夜を過ごしてきました。
うっとりの内装です。1840年頃にドイツ人建築家のゼンパーが完成させた宮廷歌劇場です。由緒ある建造物なのですが、火災や戦争の空襲で、過去焼失したため、当時の設計図や資料を基に1985年に再建された三代目だそうです。すごい威厳のある外観と、華やかな内装から、旧東ドイツが国家の全権威を注ぎ込んで取り組んだ巨大プロジェクトだったことが見受けられます。40年近くかけて再構築されています。色彩、装飾、とにかくオペラ座の中を歩いているだけで、優雅な気分に浸ることができます。
うわぁ、うっとり。初代オペラ座のエレガントさを忠実に再現しているのでしょう。数々の彫刻、ゴールドや大理石で装飾された豪華な内装は芸術作品そのものです。
劇場の内部に入ると、これまた夢のような空間です。豪華絢爛、華やかで、「はぁ」とため息がこぼれます。座席には、ホタテ貝をかたどったデザインが施されていて、名画「ビーナスの誕生」を思わせます。
馬の蹄をイメージした観覧席は4階まであり、客席数は1320席ほど。天井には重さ1,9トン、高さ5m、幅4,2mのシャンデリアが垂れ下がっていました。なお、4階席の一番後ろは立見席になっており、どの公演もわずか10ユーロで観劇できます。音楽の道を志す若い大学生には嬉しいチケットだろうな。ホールは反響が素晴らしいので4階席でも十分に迫力の演奏を満喫できるようです。
舞台下のオーケストラピットには、すでに数人の音楽家がスタンバイしていました。
1548年にザクセン選帝候により設立された「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」(Sächsische Staatskapelle Dresden)の生演奏です。世界で最も古い交響楽団のひとつと言われています。
チケットを取るのが難しかったのですが、劇場所属のバレエ団「真夏の世の夢 シェークスピア 一部」「モダンダンス 四季 ビバルディ― 二部」を鑑賞することができました。
何と驚いたことに「真夏の夜の夢」のプリマドンナは日本人女性でした。ティタニア役・藤本加奈子さんというバレリーナでした。柔らかな体の動き、滑らかな手足の流れ、そして蝶のような高くて張りのある跳躍。全てがトップダンサーたる技で、感動しました。その他にも日本人ダンサーと思われる人も妖精役で出演しており、大変頼もしい気持ちになりました。世界の舞台で活躍する同郷のバレリーナ、素晴らしいですね。同じ日本人として誇りに思いますし、エールを送りたいです。
演奏も素晴らしかったし、踊りも見ごたえがあり。これまで見た舞台の中で一番感動しました。これぞ本物、世界のトップレベルの舞台芸術で、私もダンサーと一緒に心が汗をかいたような、または、心が高級な化粧水と乳液でエステを受けたような感激でした。とにかく芸術で心が潤うとはこういうことなのだなぁと余韻に浸って、その夜は眠ることが出来ませんでした。
なお、劇場のスタッフに話を聞いたら、12月のクリスマス公演は特に人気で、秋にチケットが売り出されるものにすぐに完売してしまうほどだそうです。10月末には12月土日の公演は間違いなくソールドアウトになっているそうで、クリスマス公演を鑑賞したい場合は、秋になったらこまめにホームページでチケット情報をチェックすることをお勧めします。
また絶対に行きたいです。