ビンの中に物を詰めた不可能物体は数多くあります。
ビンの中に入れることで、物体が自分より小さな穴(ビンの口)を通り抜けたという不可能な現象を一目で表現できます。
このビン詰め作品は不可能物体の中でも最も多くのバリエーション、作品があります。
その中には長い歴史のある工芸品や、ボトルシップのように市民権を得ているものもあります。
いずれもビンを加工するのは邪道とされており、どうやってビンの口から物を通すかが問題となります。
ですが、実際はビンを加工したものも少なからず出回っています。
ビンの下部にヒモなんかが巻かれていたりする場合は、ビンを切って貼った継ぎ目を隠している可能性大ですのでご注意を。
ビン詰め作品だけで結構なボリュームになりそうなので分類して紹介することにしましょう。
はっきりとした線引きは難しいですが、
①「工作」色の強い物、②「パズル」的要素を含んだもの、③「アート・工芸品」として作られたもの、④それらに含まれない「植物」を詰め込んだ物
にざっくり分けられそうなので、この4つに分けて紹介します。
工作系
ボトルワーク
最もよく知られたビン詰め作品はボトルシップでしょう。
ビンの中に入った船の模型を見たことがある人は多いと思います。
関連する本もたくさんあります。
参考文献
●ボトルシップ―作り方・楽しみ方 橋本進 海文堂出版
●ボトルシップの秘密 岡田重三 海文堂出版
●玩具館 遊びの百科全書7 澁澤龍彦編 日本ブリタニカ
●ボトルシップの秘密 (Part2) 岡田 重三 海文堂出版
●親子でつくるボトルシップ 岡田 重三 (1985/7) 海文堂出版
●ボトルシップ―不思議を作るホビー (工作倶楽部) 山海堂
●ボトル・ワーク びんの中の工作 (工作ランド) 誠文堂新光社
●ボトルシップに挑戦―その作り方と楽しみ方 長谷川 尚美 成山堂書店
船に限らないビンの中での工作は総称してボトルワークやボトルアートと呼ばれます。
「びんの中の工作 ボトル・ワーク 工作ランド」には、
船の他にタバコ、マッチ、花、くす玉、屋台の模型などの作り方が載っています。
「ボトルシップ―不思議を作るホビー」では、
地球儀が一緒に入っていたり、ラムネのビンを使った作品もあってかなり難しそうなものもあります。(以下はその画像)
西洋ではマイニングボトルとも呼ばれていてmining bottleで検索すると色々見つかります。
十字架、磔のキリスト
十字架や磔のキリストがビンに入っています。(画像はネットで見つけたものです)
日本では見かけませんが、海外ではまあまあ作られているのでしょうか。詳しいことはわかりません。
The Cross in BottleとかChrist in Bottleで検索すると色々出てきます。
一つ一つの部品は細い物ですので、制作難易度はそれほど高くないでしょうか。
参考文献
●大暴露 あの超有名人・企業が闇に葬りたかったすべて (ハヤカワ文庫) ウィリアム・パウンドストーン 著、田村 義進, 伊藤 文英 翻訳:ビンに入った磔のキリストの作り方が書いてあります。
ボトルワークはあくまで工作ですので、いかに複雑な物をいかに綺麗にビンの中で組み立てるか、というのを目指していくことになります。
ここから、どうやって入れたのかを考えさせるパズルの要素を含んだものに発展していきます。