母さんは、結婚する前、かなりのツンデレだったんだって。
「そうね、この時のことは覚えてるわ。おんなじ仮面じゃなくって、変な感じだったの。」
「そうそう。初めてのプレゼントは泥だんごでね…」
「大人になって、わりとすぐ、付き合い始めたのよ♪」
その後も、ツンデレ道を突っ走ったらしい母さん。
「懐かしいわ…この頃はちょうど、ティールがモイラちゃんみたいに騎士隊員になりたてだったっけなあ…」
そうやって、昔のことをゆっくり、ゆっくり語る母さん。
「さて、と。ごちそうさまでした。ちょっと眠たいから横になるね…」
そう言って、目を瞑った母さん。
『あ、ティール…ふふ。ただいま、』
ティール「もー。ジネット!色覚えてないとか、もーー!」
『うふふ。今、思い出したわ。夜の海色のドレスを選んでくれた事も、ワフ虫の舞う星の日にデートに連れてってくれた事も…』
「ねぇ、こっちでも沢山キレイな場所があるから、連れてってあけるね

」
『ありがと…あ、あのね、まずはお母さん達に会いたいんだけど…』
「もちろん!みんな、待ってるよ。さ、ジネット、手…」
『ん…』
そして子供の頃から母さんと仲良しだったっと言う、カーン叔父さんの姿もあった。
さようなら、うつくしい、ひと。